大砲の実射音が入っている「1812年」ほか。チャイコフスキーの音楽に深い共感を示したことで知られるバーンスタインの思い入れが感じられる、熱い演奏が聴ける。
西洋音楽の源泉とも言うべきグレゴリオ聖歌。中世の歌唱法を伝承するシロス修道院の修道士たちによる歌声は粛として響き、現代の喧騒をしばし忘れさせてくれるだろう。ソレム唱法の甘美な陶酔こそないものの、均整のとれた端正な美しさには普遍的価値がある。
パークニングの代表的な録音。細部の彫琢が素晴らしく、流れも損なってはいない。録音のためと思うが、ギターの響きが野太く、洗練さには若干欠けるが、スケール感はよく出ている。ウォルトンは、原曲の独奏版とオーケストラ編曲版を合体させたもので、これは面白い。
フュージョン/ポスト・バップの両方の音楽性を持つギタリスト、ジョー・ベックのオルガン・トリオ編成による録音。ベテランらしい熟成したプレイで、ロマンティックなムードの作品に仕上げている。深みのあるスタンダード・ナンバーの解釈を聴かせる。
ピッと張り詰めた空気の中に華麗に咲き誇る卓越したテクニック、それがフランチェスカッティの醍醐味ならば、このCDは彼の美点を堪能するのに最適な作品を収録しているといえよう。録音の悪さ(モノラル)も忘れて没入してしまう吸引力のある演奏だ。