収穫の喜び、日常の発散、そして聖なる儀式……さまざまな意味を持つ祭りの音楽だけに、曲調も実に多彩。こうして1枚にまとめられたものを聴くと、ヤワなキモチは圧倒されそう。各祝祭の解説に、訳詞付きと、“背景”にもちょいと踏み込んで堪能できるアルバム。
闇を突き抜けていくような圧巻のバンド・サウンドに、ぬめりけある変態性ばっちりのヴォーカルが耳に強く残る。これがデビュー作品ということを考えると、今後とんでもなく巨大な存在に育っていく可能性が非常に大きい。個人的には英詞曲の方が好き。
リサイタル、室内楽、オーケストラとの共演、さらにTV・ラジオでの活躍などで、フルートという楽器を多くの音楽ファンに再認識させたのが山形由美。クラシック名曲を中心に編まれたこのアンソロジーで、そんな彼女の魅力の一端に触れることができる。
同じコンビによるベートーヴェンのコンチェルトの場合と全く同じことを言いたい。ただ、こちらはモーツァルトらしく、もう少し軽妙な感じがある。それにしても、80歳を過ぎた人とは思えぬ、ワルターのすばらしい演奏だ。(1)はイザイのカデンツァ使用。