経脈体系の理論と実践への方程式は、部分と全体観の哲理をわれわれの無意識層に語りかけてくれる喜びがあるのである。古典を、ここ10年、少し大げさにいえば血涙をもって解読に心懸けてきてみて、その全体像が浮かび上がるにつれて、この『難経』のかもし出す医の道は、道教と神仙術の発想に近い構想で成立していることに気づかされた。かくして本来的な解釈と臨床化への指標が与えられたと思っている。
著者が唱える「心理療法の常識」は、地道な経験の積み重ねの中から臨床に役立つこと、治療に有用なことがらを丹念に集め、それらを精製して織り出したものである。大小を問わず「常識」の数々が具体的事例とともに詳述されており、職業としての心理療法家が身につけるべき臨床上の宝が溢れている。
本書は、第一線病院でよく行われる整形外科手術のほとんどを網羅し、最新の知識を普遍性のあるもの(原法)と改良を加えたもの(変法)の両面でわかりやすく解説している。
写真が語る豊かな群馬(上州)県の民俗。県内を隈なく歩いて、伝承を聞き、生活を見つめ、写真も撮りつづけてきた民俗研究者・都丸十九一。数千枚のフィルムの中から、豊かな群馬県の民俗を語る340余枚を厳選。
市場で評価されるものにしか価値を認めない、グローバルな自由市場経済にひそむ幣害を衝き、人々の利己心のみならず公共心をも活かすというユニークな考え方に基づき、21世紀に向けて、経済問題解決のための新しい政策処方箋を提示する。
経済社会の発展と国際社会の進展とともに、企業グループの国際的租税回避はますます洗練されたものになっていく。しかし、国際的租税回避に対しては国際的に統一された対抗措置は確立されるに到っていないため、各国が個別に対応しているのが現状である。本書は、変化して止まない国際的租税回避の原理と基本的な方法を抽出することを目的としている。国際的な協力なしに一国限りの防止措置だけでは容易に対抗できないことを指摘し、租税条約のネットワークの拡大や国際的ガイドラインの設定の必要性を説くものである。
相場で勝つ秘訣は「カオス」にありー。米国で「相場を教えさせたらビルの右に出る者はいない」とまで評される原著者が提示する、相場運用についての全く新たな思考と手法。相場についての深い洞察と叡智に裏付けされた、斬新なテクニカル手法に全てのトレーダーが目を瞠るに違いない。
タックス・シェルターはアメリカにおいて必ずしも否定されるものではない。タックス・シェルターそれ自体は、脱税と区別される納税者の正当な権利の一つである。本書は、米国財務省が公表したタックス・シェルター白書や米国議会課税合同委員会が公表したエンロン・レポートを中心に、米国のタックス・シェルターの実態とこれに税法の予定した税収の確保のために真摯な対抗措置をとる立法、行政および司法の現状と脱税との境界を研究したものである。