東映京都撮影所には、正面脇のベンチから来訪者に目を光らせる「門番」のような老人がいた。撮影所内の話に行く前にその入口の話から始めてみたいー。これは、昔々、「熱い」時代の物語である。型破りな錦之助、鬼と呼ばれた岡田茂、警察とヤクザ。読み始めたら止まらない血と汗と涙の記録。
創業・明治三十年。老舗ホテル「京都スタアホテル」の自慢はフレンチから鮨まで、全部で十二もある多彩なレストランの数々。そんなホテルで、レストランバーの支配人を務める北大路直哉は、店を切り盛りする一流シェフや板前たちとともに、今宵も様々な迷いを抱えるお客様たちを出迎えるー。仕事に暮らしと、すれ違う夫婦が割烹で頼んだ、和の牛カツレツ。結婚披露宴前夜、二人で過ごす母と娘が亡き父に贈る思い出のエビドリア…おいしい「食」で、心が再び輝き出す。『極みの京都』『鴨川食堂』でおなじみ、京都を知り尽くした著者が描くハートフルストーリー。
一乗寺に佇む、緑色の扉が印象的な書店ーそこは訪れた人に様々な出会いを授ける。結婚を間近に控えた美咲には幼少時の記憶がない。朧な思い出の中に、夜闇で輝くウェディングドレスを見て…。(「夜の花嫁」)会社で無能扱いを受ける圭吾はある日、バールを買った。同僚の香織を殺すためだー(「一乗寺のヒーロー」)。京都本大賞受賞の著者が描く、儚く美しい京都ミステリ4編。
憧れの耕書出版に就職した高屋誠は、中高校生向け占い雑誌に配属される。編集部は大阪支社で、住まいも未定。占い嫌いの高屋は、船岡山珈琲店にいる正体不明の占い師への取材中にぶち切れ、星読みと大喧嘩。和解の流れでなぜか店の二階に住むことになり、不本意ながら星の世界に触れ、その奥深さを知っていく。
本書は、京都という町に堆積した史跡を時代ごとに輪切りにし、その時代時代の古地図と現代地図を重ね合わせて見ることができるように工夫しています。
どんなやぶれかぶれな世の中だって人間は畳の上で死ぬもんだ。時は昭和。戦争という「巨悪」を仕掛ける「お上」に江戸の矜持を持ち続ける夜盗一味が立ち上る。
「一見さんお断り」はありません。“ツウ”になれる、やみつきになる、京都観光の裏ワザをたっぷり掲載。
21世紀の世界の覇権争いは「環境」を舞台に繰り広げられるー。戦前の軍艦、戦後の核兵器に次ぎ、CO2排出量がいま、人類の最重要課題となった。国際政治の主役に躍り出たCO2を外交の“武器”に、「環境」という戦場で、どう戦っていけばいいのか?日本の進むべき道を提示する対論。環境から、世界の覇権、メディアリテラシーまで。“世界を識る”気鋭のジャーナリスト二人が、存分に語り尽くす。
京都グルメ歴24年、本当は教えたくない隠れ名店ばかり。京都コンシェルジュ船越だけが知っている秘密、教えちゃいます。
なぜ家族は必要なのか。「勝ち負け」のないゴリラ社会、「優劣重視」のサル社会。人間社会はどちらへ向かう?
答えはいつもふたつある。京都の街を歩きながら「本当にそうか?」と考えたことー。
一月になり大学にも慣れてきた葵だが、京都郊外の伏見にある老舗酒造「幸谷酒造」で修業中の清貴とは、なかなか会えない日々。近頃は、親友の香織が所属するフラワーアレンジメントサークルを手伝っていた。ある日、三回生のサークルリーダー・郁美が突然、サークルを辞めると言い出す。一方、幸谷酒造では家宝の徳利がなくなったと大騒ぎ。二つの出来事の裏には、それぞれの切ない想いが潜んでいた。また、第三章『復讐のショータイム』では、ひらかたパークを舞台に、清貴と秋人が大活躍する!
大学二年生の五月。二十歳の誕生日の記念に、清貴と葵は“九州・超豪華寝台列車の旅”に行くことになった。しかし列車の旅を楽しんでいるのも束の間、大原の宗教施設での大麻事件に関わっていた雨宮史郎が、目の前に現れた。雨宮の手には、盗難に遭い海外オークションに出品されていた、旧知の画家・米山涼介の掛け軸が!?雨宮は清貴と葵に、掛け軸と交換にある条件を提示するがー。大人気キャラクターミステリー、最新作!
葵、大学2年生の夏。大丸京都店での修業を終え、次の修業までの短い夏休みを『蔵』で過ごしていた清貴のところに、高校時代の先輩・日野が尋ねてきた。最近、勤めていた会社を辞めたという日野を、清貴は永観堂に誘う。「永観堂といえば秋では?」といぶかしむ日野だが…。他に、『円生の独白』では、円生の生い立ちが明らかに!大人気シリーズの魅力が満載の第11弾。
夏休みも終わった9月。清貴は、最後の修業先である「小松探偵事務所」で働き始めた。相棒は、なんと永遠のライバルの円生!清貴たちへの最初の依頼は、「私を殺した人物を知りたいんです」という奇妙なものだった。同じ頃、祇園では舞妓へのストーカーと幽霊騒動が起きておりー清貴&円生&小松のちょっと危うい3人組が、京都の街をところ狭しと駆け回る!大人気シリーズ、最新作。キャラクターミステリー。
大学に入学して二度目の冬。葵は、家頭邸で行われる円生の作品の展覧会を取り仕切ることになった。なかなか良いアイデアが浮かばず、一歩を踏み出せずいる葵。そんななか、京都市北区役所から、葵たち学生に「『船岡山エリア』を活性化させるための手伝いをしてほしい」という申し出がくる。一方、『蔵』に戻っていた清貴のところには、祇園で地下クラブを経営する敦子から「自分の華道教室に通う生徒の婚約者の浮気調査」という、妙な依頼が舞い込み…大人気シリーズ、16弾!