名家徳大寺家の当主夫妻が、何者かに惨殺され、その上、家も放火された。警察の必死の捜査にもかかわらず事件は迷宮入りとなった。三年後。京都で徳大寺家の四人姉妹の三女さつきが殺され、続いて地元選出の代議士、銀行支店長など当時の事件の関係者が次々と謎の不審死を遂げた。復讐か?怨恨か?残りの姉妹は何処にー。“トリックの女王”山村美紗が贈る、長編ロマン・ミステリー。
本書記載のデータおよび写真は1986年2月(第1回調査)、1988年4月(第2回調査)現在のものです。
数学において、証明のない定理は存在しない。しかし、この本では、あえてその禁を破り、証明の代りに例題をつけた。数学科の学生はともかく、一般の学生にとっては、その方がよくわかると判断した。定理や命題のすべてに例題をつけた。多変数関数の扱いにおいては、コンピューターによる数式処理を強く意識した。
珍らしい姓をもつ人物が、続けざまに殺される。その舞台は津和野、高山、土佐中村、そして角館ーいずれも風光明媚な“小京都”とよばれる観光地である。そして事件ごとに見えかくれする、ナゾめいた女性の存在。名探偵キャサリンが小京都を探訪しながら意外な真相に肉迫する、会心長編。
「源氏物語」「平家物語」「明月記」など古典の舞台を追想しながら往時の遺跡を訪ね都大路に漂う王朝ロマンの余薫を偲ぶー。
20世紀末の現在、「ストレス」という言葉が蔓延している。一体、ストレスとは何か?言葉の生みの親セリエは、生命法則の一部という。ストレスは、生体と環境との間に起こる「さざ波」であり、人間が生存していくための意志決定が複雑な社会にあっては「生きる証し」でもある。本書は、現代文明の必然的落し子「ストレス」誕生の謎から最新研究まで、時代背景と必然性の経緯を辿り、研究・臨床両面から、対応・解消法を探る。
論文完成までの秘訣を伝授。初めて論文を書く人のために。
琵琶湖疏水の完成は、明治期の日本土木界が世界に誇る大工事であり、燦然と輝く金字塔である。京都を近代都市として再生させるため、生命を賭して難事業に挑んだ若き土木技師田辺朔郎ら、男たちの熱い闘いと不屈の精神をノンフィクションタッチで綴る長篇。
伊賀上野に遺る忍者屋敷のどんでん返しから絞殺体が現われた。誘拐された令嬢女優・湯川由美の変わり果てた姿であった。ニュースキャスターで推理作家の沢木麻沙子は事件を追ううち、湯川家の複雑怪奇な内情を知る。由美の派手な男関係、入り組んだ家族問題…。いったい殺人の動機は、どこから生まれたのか。膠着する捜査を尻目に一人、また一人と犠牲者が…。
祇園の商店街で育った新吉は、古い町並みと口うるさい近所のおっさん連中が嫌でたまらない。親に偽って東京の大学を受験、見事合格するが、お祝いごとのドタバタの中、新吉の胸中でなぜか京都への思慕が膨らむのであった…。祇園育ちの著者が、千二百年の古都を舞台に描く甘く切ない70年代グラフィティ。
『山びこ学校』は昭和26年に出版されるやベストセラーになり、子供たちは戦後民主主義教育の申し子と讃えられた。それから40年後ー青年教師・無着成恭は山を去り、東京へ。教え子たちもまた村を捨て都会に出た者、亡びゆく農業に殉ずる者、会社を興した者…1プラス43が懸命に生きた軌跡を追った感動のルポ。
神・儒・仏を批判したキリシタンが、ついにはキリスト教も捨てる。“最初の日本教徒”不干斎ハビヤンが求め続けた規範とは。
ストア派哲学者でローマ五賢帝の一人、マルクスが綴った名高い哲学的日記。
北野天満宮で舞妓の豆千代が殺されて以来、京都西大路通りの由緒ある神社仏閣で次々と発生する殺人事件。容疑者はホテルオーナー、ゲーム機会社の社長、大学助教授、著名な人形師に服飾評論家など、古都を彩る名士ぞろい。果たして真犯人は?日本画家の沢木と舞妓の小菊が活躍する傑作長篇ミステリー。
セックスによる即身成仏を説き、弾圧された邪教「立川流」の実態と人の肝を喰らう鬼神ダキニとの関連を、膨大な資料を駆使して追及。忌まわしきドクロ本尊の作成法から、南北朝の闇の秘儀までが、荒寺の妖しき談義のうちに開陳される。