この本は、21世紀の中頃までに100億人に達しているだろう地球の住人を、“いかにして最もよく養うことができるか”という疑問に向けられている。バーツラフ・スミルは、人間の創意工夫が、生物圏の本来の姿を修復できないほど損傷することなく、すべての人々の健康で活気のある生活を支えるために十分な食料を生産することができるかどうかを問うている。この本は、農業から収穫後の損失や加工、食べたり、食べ残したりするまでの完全な食料循環を考慮しているという点で、世界の食料事情に関するその他の本とは異なっている。科学的手法をとっているスミルは、広範に及ぶ飢餓が切迫しているという破局論者の見解も、また大きな人口は人間の無限の相違工夫の源であるとして歓迎している「豊穣の角」信奉者の見解も支持していない。彼は、いかにしてわれわれは現存する資源をよりいっそう効果的に利用することができるかを示しており、そして、もしわれわれが農業の効率を上げ、廃棄物を減らし、食事を健康的なものに変えていくならば、将来の必要量は、われわれが予期しているほどの大きなものではないことを示唆している。
本書で取り上げられているのは、かつては先輩医師から臨床の現場で教えられてきたことである。しかしテンポの速い今日の状況では時間をかけて学ぶ余裕はない。むしろこれらの知識を研修開始以前に予備知識として持っていなければならないほどに状況は切迫している。同時に研修医だけでなく、若手医師を指導する立場の指導医にとっても必須事項である。改訂版では「医療の社会的側面」と「基本的診察法」を中心に取り上げることとした。
本書では、動物の健康管理に必要な知識や技術を、実際の流れに沿って統一した考え方で紹介。また、我が国の実状にあわせて、不必要な内容は極力省き、必要な事柄だけを平易な表現を用いて詳細に解説している。動物の健康を管理する際に不可欠な知識や技術はもちろんのこと、飼い主に対する指導を行う際に必要とされる実践的な内容も数多く盛り込んでいる。
生後たった1週間しかたたない乳児にどんなことがおきているのか?青年が喫煙や飲酒、薬物依存に至るきっかけはなにか?青年は性行為にどの程度責任を持てるものなのか?そして、今の青年は親になるということをどのように考えているのか?本書は、多くのニュージーランドの子どもを対象に、彼らの健康や発達、ウェルビーイングについて検討している現在継続中の追跡研究である。
本書は母乳哺育の指導者のためのバイブルともいえる内容で,乳房の構造、乳汁分泌の生理、母乳の長所、母乳育児の実際、帝王切開や未熟児など、特殊な状況下での母乳哺育の援助などについて、具体的かつ明解な指針が示されている。さらに母親に指示を与えるのではなく、母親自身がよりよい判断をし、問題点を解決していくのを援助するための、カウンセリングの技法についても、詳細に述べている。
本書は自然毒として魚介毒、きのこ毒、植物毒が、微生物・寄生虫としてマイコトキシン、細菌性食中毒、寄生虫毒が、二次生成物としてニトロソ化合物、クロロフィル変質物が、そして種々な食品添加物類が取り上げられ、それぞれの分野における最先端の研究者により執筆されている。