身近な風に関するさまざまな話題を、科学的・工学的な角度からわかりやすく紹介しようと試みたのがこの本のねらいです。1巻では、風が起こる原因、風自体のいろいろな興味ある性質から、風がもたらすさまざまな自然現象、風と植物のかかわりなどに関する話題を集めました。
日本は気象の変化に富み、生活にもいろいろの影響を与えています。また、こうした日々の天気の変化については、古くから諺や俚言としてさまざまな形で残されています。現代気象学を築いた一人である著者が、四季折々のテーマに沿って、「気象をよむ」エッセイとして綴ったものです。
四角い台風がやってくる。大気がつくるエンジン、台風。すごいパワーのひみつをさぐってみたら…。
記録的な豪雨をもたらした狩野川台風のとき、日ごろから気象観測をつづけていた慶応大学月ケ瀬温泉治療研究所の藤巻時男博士は、台風の進路をたしかめ、中之島の病院に入院中の多くの患者を避難させ、生命を救いました。
立春、節分、彼岸、五月晴れ、梅雨、酷暑、台風、しぐれ、木枯し、初雪…。変化に富んだ日本の四季を彩るさまざまな気象現象や行事を、古今の俳人たちはどのようにとらえ、どのように句によみこんだか。長年、予報官として気象観測に取り組んできた著者が、芭蕉、蕪村の昔から現代俳句まで、220余の名句を素材に、現代気象学の立場から分析・解説する。俳句の鑑賞に新しい視点を提供するとともに、気象学の基礎が学べるユニークな本。
本土と北海道とを結ぶ海上の道として、80年にわたって人びとに親しまれてきた青函連絡船は、1988年3月13日の運航を最後に、津軽海峡から姿を消す。本書は連絡船通信士として35年間勤務した筆者が、惜別の思いをこめて綴った海と船との記録。とくに海難史上まれにみる、台風による洞爺丸転覆事故の記述は、鎮魂の筆致で読むものの胸をうつ。
為替の乱高下、貿易摩擦の激化、そして熾烈な国内競争…。5大企業はいかなるサバイバル戦略をとったのか。逆境をてこにして蘇生を図った企業の血のにじむ現場を徹底取材した力作ルポ。
この本は最近の気象学の話題を大学で気象に関する教育研究に携わっておられる先生方に選んで頂いたものです。一つずつの話題は独立した読みものとなっています。興味ある話題から読んで頂いて、現在の気象学の内容を多くの方々に理解して頂き、特にこれから勉強しようとする人々が気象学に関する展望を持つための手助けになれば幸いです。
四季折々の表情がはっきりしている日本では、そこに住む人が気象に敏感になるのは自明の理である。そして、この環境が気象エッセイの名手を生むことになる。テレビのお天気キャスターとして、新聞の気象コラムの筆者として活躍中の著者が、蘊蓄を傾け、みずみずしく表現する「生活が豊かになる」エッセイ。