悪性腫瘍の手術から半年。免疫強化剤による宙を漂うような状態の中で、作家は小説を書いている。最後の作品になるかも知れぬ小説を、自分の頭蓋骨の内側に坐りこむのにも似た書斎で。私はあのとき確かに生きていたのだ、と感じられる場景に出会うために。想起することで高められ、強められる現実感を呼びよせようとして。死にも対峙し得る記憶の鮮烈、濃密な瞬間を…。野間文芸賞受賞。
台湾海峡の台風は対岸の暴風ではない。自分の実力に自信を持ちはじめた中国、中華思想の嵐が吹き荒れる!数々のチャイナ・リスクを乗り越えてきた邱永漢だけが語れる中華思想への処方箋36講。
天真らんまんで、好奇心のかたまりのアントンたちがやってきたので、もう大へん!ひるねのたのしみも、しずかで平隠な生活も、おじいちゃんたちは、当分おあずけ、“まごは来てよし、帰ってよし”-まごたちにふりまわされる、うれしいけど切実なお話。小学3・4年から。
命と財産を守るため今何をすべきか?今何が必要か?地球の温暖化で異常気象が増加し、地震も増加している。今のあなたは「自分の命と財産を守ることができますか?」本書を読んだあなたは、立派な「地域の防災責任者」です。
ハチャメチャだけど、愛おしい、ドタバタだけど、懐かしい、嵐を呼ぶ“かあちゃん”ついに参上。
人事部の佐藤に課せられた「試験」を何とかクリアし、本村との絆を深めた鈴。そんな二人に周囲が期待するのは、もちろん結婚。「武雄さんのことは好き、結婚するならこの人しかいない」そう思う鈴だが、過去の悲しい経験からなかなか前向きに考えることができなくて…恋人、幼なじみ、初恋の人。鈴の未来や過去にかかわる人物たちの登場でシリーズ第3巻は、恋の嵐が吹き荒れる。
原田鈴はお人よしな性格が災いし、タチの悪い男に引っかかってばかり。しかも、散々振り回された挙句、いつもフラれてしまう。今回も男にフラれ、傷心気味だった鈴。そんな鈴に声をかけてきたのは、それまでほとんど話したことがなかった人事部の主任、本村武雄だった。なりゆきで本村に愚痴をこぼすうちに、なんだかおかしな雰囲気になってきてー!?お人よしなOLの突然すぎるラブストーリー。
八月、喜美津化学はかつてない渇水に見舞われ、製品が納期に間に合わないかもしれないという危機に直面していた。前原が試作していた冷却器まで持ち出し、盆休み返上で生産を試みる製造部の面々。しかし品証の弘に手伝えることはなく、自宅で通常通りの夏期休暇を取ることに。そこへ工場に詰めているはずの前原が現れ、好き放題した挙げ句、弘を手製の拘束具でベッドへ繋いで消えてしまう。驚き慌てる弘のもとへ、北海道にいるはずの両親が突如乗り込んできて…。書き下ろしは台風一過の朝、パワーアップした拘束具によって再びピンチを迎えた弘のその後。二人の関係にも展開が?「働く男」の真骨頂、好評シリーズ第三弾。