LGBTは、精神障害なのか?LGBTは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字を集めた略語である。かつて精神医学で病理と捉えられていた同性愛を含む多様な性のあり方は、現在では精神障害とはみなされていない。本特集では、一般精神科にLGBT当事者が、生きづらさや特有のメンタルヘルス問題を抱え、訪れた際に適切に対応するために、その概念や歴史的経緯を基礎から紹介し、さらに彼らのニーズに沿った医療を提供するための具体的対応方法を取り上げた。これからの精神科医が求められるLGBTの正しい理解と適切な対応のために必読の特集。
レズビアンやゲイの人生の目的とは何か。同性愛を世界の文化、歴史的視点から考察する絶好の入門書。
「正常な行動」はいかにして「精神の病」となるのか…アメリカのみならず、世界の精神医学・心理学市場を席巻するDSM。その科学的根拠の弱さや診断名の取捨選択に見え隠れする専門家の偏見ぶりを明らかにする。
本書の出現によってウィトゲンシュタインはあらたに読みかえられる。スキャンダルを惹きおこした賛否両論の書の全貌。
第1部は「心」です。心はどこにあるのでしょうか?心を見つめることは私たちにとって、どのような意味があるのでしょうか?臨床心理学の礎となる理論をもとに学んでいきましょう。第2部では「身体」の側面から、自分という存在について考えてみましょう。はじめに「心」と「身体」のつながりについて学びます。そしてその後は、私たちにとって自分の身体性がとくに強く感じられる「性」にも目を向けて見ましょう。第3部は、「心の病と健康」です。心身のバランスが崩れるとき、私たちにどのような変化が生じるのか、またそれを予防するためのちょっとしたコツも学んでいただけたら良いと思います。
儒教的慣習や一人っ子政策の下での女児殺害といびつな男女比、独身男性や自殺する女性の多さ、アイデンティティの表明としての纏足や辮髪、同性愛や異性装をめぐる価値観の変遷ー。政治や法、医学、芸術、スポーツまで、西洋的概念では捉えきれない、性の視点から見渡す伝統中国から近現代中国への変化。
「同性愛」という概念の誕生ー近代以降、同性愛は文学の中でどのように表現されてきたのだろうか?BL、百合という文脈で語られると共に、一方でLGBTQを考えるための文学としても着目されている同性愛文学。明治から平成までの文学史の一側面に光を当てた一冊。
100年前に南極点に到達したスコット探検隊のメンバー、ジョージ・マレー・レビックは氷に阻まれ一冬を南極で過ごすこととなった。海軍の医師であったレビックはやむなく周囲のペンギンたちを観察するうちに、彼らの奔放な性生活に気づきノートに書き留めていったが、生涯それを公にすることはなかった。この驚くべき新発見はなぜ封印されたのか。その謎にとりつかれた気鋭のペンギン生物学者が、レビックの生涯とゆかりの地をたどり、想像を絶する過酷な南極探検の実態とペンギンたちの知られざる生態、そして忘れられた英雄の全貌を明らかにする。
セクシュアル・マイノリティとは、同性愛、両性愛、性同一性障害など、典型的なセクシュアリティとは異なるセクシュアリティのあり方を示す人々のことをいう。セクシュアリティのありようが少数派であるがゆえに、偏見にさらされ、生きづらさを抱えることも多いため、セクシュアル・マイノリティの人たちの心理的支援へのニーズは、顕在化しにくいが多大にある。人口の数%程度を占めるといわれる彼・彼女らに、臨床の場においてもそうとは知らずに出会う可能性、もしくは出会っている可能性は大きい。多様なセクシュアリティを示す人々を理解し、受け止め、支えるための1冊。
本書は現代科学技術社会の中でキリスト教信仰と現代の科学技術が提出する課題をめぐって、この問題に強い関心をもつ-ともに大学において理工学系の基礎教育を受けた-教職者と信徒として科学技術を研究する者の共同研究の成果としてまとめた論文集です。
どこの学校にもいるセクシュアルマイノリティの子どもたち。当事者の視点から「人権と共生の教育」に新たな一歩を刻む。
60年代末、ゲイの権利獲得の闘いが始まったー1969年6月28日、NYのゲイバーに警官隊が突入。この「ストーンウォール事件」以来、ゲイの解放運動は一気に街頭へとひろがった。たとえ少数派でも生活は多数派と同じように認められねばならない。存在証明を確立するために性的マイノリティが強いられた苦難の「近代」を考察する。
「同性愛」をめぐるパラダイムが大きく変わりゆく時代に、ジェイムズはさまざまな「愛」に関する思考を、どのように小説という表現形式に結晶させたのか。異性愛やきょうだい愛、親子愛と重ねあわせつつ描かれる「同性愛」表現の多様性に注目しながら、ジェイムズの主要作品を読み直す。
日常的に遍在した男色行為から自立した同性愛文化の誕生へ。世界に破滅をもたらす呪わしい悪業として恐れられながらも、家父長制的な〈家〉や学校、寮、劇場や男娼宿等で温存された同性愛が、17世紀後半にむかえた変貌とは?