本書は、農村空間に関する、人文地理学的研究を集めた論文集である。
近年、ことばの地域差すなわち方言とは、地域の歴史や社会、経済などの複合的な要因によって顕在化する現象であり、方言をそのような地域特性との関係で研究する社会言語学的方言研究が注目されている。このような流れをうけて、本書は、近畿地方中央部で実施したフィールドワークにもとづき、わが国でもっとも歴史と文化資本の蓄積した都市社会である近畿中央方言域の待遇表現形式に焦点をあてて、その成立と特質、周辺地域への伝播を通して、ことばの生成と変容、拡大が都市のもつ特性とどのように関係しているかについて論証し、社会言語学的方言研究の新たな可能性について提言する。
総勢37人の研究者が研究史を適切に整理し、現時点における古墳時代研究の到達点、問題点、方向性と課題などを簡明に抽出。今後の研究展開を照らす一里塚となる関係者必携の書。
団塊世代の実相。「元気」だといわれる彼らの感性や感覚はどうなっているのか、人生の末期において生活に何を求めているのか、何に満足し、何が不満なのか。また、昨今かまびすしくいわれる「終活」に対してどのような意識を持っているのか、それは今の生活にどの様な影響を与えているのか…。2013年8月調査報告書。
日本地震工学会、日本建築学会、土木学会、地盤工学会、日本機械学会、日本地震学会、日本都市計画学会、日本原子力学会の8学会の協力による合同調査報告書。共通編1は地震災害を考える上で起点となる内容で、地震学・地震工学分野の成果を中心に、後世に残すべきだと考えられる知見をコンパクトに選定した。
平安時代末期より戦国期にいたるまで長い命脈を保った備中国新見荘。東寺領であったことにより東寺百合文書等に多くの文献史料が残り、また、中世村落の景観を垣間見ることのできる環境を有する日本中世史研究における稀有なフィールドである。本書では文献資料の分析を軸に政治史・経済史・環境論・古文書学等にまたがる多面的な検証により、生産・流通、自然環境、地域社会、支配構造など、中世荘園をめぐる歴史的状況を立体的に描き出す。