ACT(Assertive Community Treatment)は、長期入院や頻回入院を余儀なくされていた重症精神障害者が、住み慣れた地域で安心して暮らし続けていけるように支援するための集中型・包括型ケースマネジメント・プログラムとして、現在各国で急速に広まりつつあり、その援助効果も高く評価されている。わが国においても脱施設化推進の有力なモデルとして一躍注目を集めているが、利用者のニーズに応じたフレキシブルなチームの動き、それを可能にするための厳格な構造の存在、また各国・各地域における実践の多様性から、その全貌はなかなか捉えきれず、誤解も多いのが実情であろう。本書では、ACT開発の背景から、「多職種チームによるサービスの直接提供」「積極的訪問の活用」「1日24時間365日体制」などの特徴とプログラムの基本的流れ、提供されるサービスやスタッフの役割・勤務体制など具体的に紹介されたうえで、各国の脱施設化の流れとACT実践例、日本への導入にあたっての課題と展望が示されている。加えて、仮想ACTチームにおけるケースマネジャーの1週間を追ったフィクション仕立ての章やQ&Aによって、立体的・多面的にACTへの理解と実施へのヒントが得られるように工夫されている。
市や産直の復活は少量多品目型の生産を誘発し、結局は改めて農家の自給畑や裏庭、裏山などの活用も復活させ、自給部分の回復につながっている。市の復活が、同時に農村の暮らしの本来もっていた多彩な豊かさをも復活させているのである。都市の生活者もそこを敏感に感じ取り、農産物に、商品原理を超えた、物語性ある生活原理を求めるようになってきた。交換の場は交歓の場でもあるのだ。自給、市、産直が生み出す農村と都市の新しい交響。
継続調査から浮かび上がった世論の本質!『安心の探究』『安全風土の探究』に続く“科学技術”と“人間社会”との関わりをテーマとした貴重な実証的調査・研究レポート第3弾。
「変成岩類」は、いわゆる変成岩岩石学の入門編である。「フィールドジオロジー」全巻に共通する、野外調査をふまえた研究の手引きという性格を重視し、調査対象の的確な記載ができるための基礎知識と基本概念の理解に主眼をおいた内容になっている。いっぽう、「変成岩類」では、変形岩研究の目的である幾何学像としての変形(歪)解析、運動像としての剪断センスの決定法、変形環境の決定や応力の復元のツールとしてのファブリック解析法を解説した。また、そのための基礎となる構造要素の測定法や定方位試料の採取法、断層ガウジなどの脆弱変形岩の試料採取法や固定・研磨法、ユニバーサルステージの使用法なども解説した。
本書では、『グリーン・ツーリズムの現状と課題』として、農村(むら)で話題・問題となっていることを解説。
日本には、こんなにきれいな鳥がいた!千年にわたり霊鳥とされながら、日本で絶滅しかけているブッポウソウ。その謎に満ちた生態を、丹念なフィールドワークで解き明かす。日本の森にブッポウソウ復活を願う熱きメッセージ。
その場所に行かなければ手に入らない地域限定のお菓子は、各メーカーがアイデアを凝らして競い合っているだけに、個性的な商品の宝庫。家に持ち帰れば、茶の間で「おみやげです」とあえて言わなくても、充分すぎるぐらいのオーラを放つ派手なパッケージ。思わず我が目と舌を疑ってしまうこともある、全国版では決してお目にかかれない味のバリエーション…。地域限定お菓子の魅力は語り尽くせない。本書では、全国版から派生した地域限定品に絞って紹介した。それぞれに、いかに特産品に近い味が再現できているかを表す「なりきり度」と、食べ出したら止まらない度合いを表す「あとひき度」を示している。
活断層で境された近畿三角帯、急峻な外帯山地となだらかな内帯山地、直線状に走る中央構造線、多様な地形が広がる本地域の地形の特色と成り立ちを詳細に解説する。
「樹木とその集団である森林の無機・生物環境との関連」を明確にし、植物生理生態学の視点から、多年生植物である樹木の成長を解明する。
高齢者や障害者の視点に立った、新たな生活環境の整備が求められている今、高齢社会の都市・交通計画について、詳細な現状分析に基づき課題を整理し、その本質を捉えたうえで整備哲学や理念について解説。加えて豊富な事例を基に、問題解決の考え方をわかりやすく示した。高齢社会の都市・交通計画を学習・実践するための実務書・教科書として、実務者や学生に最適の一冊。
地域にも遺伝子がある。それは歴史と風土から生まれ、そこに暮す人々によって継承される。その遺伝子をみがき、自分達が住む豊かな地域をつくる。ミニ東京化、ハコモノと化した従来の都市づくりの手法、コピー・クローン化された画一的な都市計画指向を捨てて、スローライフ運動といったゆったりした、ゼロのサービス、マイナス経済成長を視野に入れた未来の地域づくりを提言する。