住居は、時代の社会的条件と、人々の生活要求と意識の変化に応じて、型を生み変容してきた。日本の住まいは第二次世界大戦以降大きな変化を遂げ、今日多様な住居が存在する。現代住居の底流をなす日本の住生活の文化と、住居を変動させる力とは何かを解読する。住居計画学グループによる共同研究の集成。
本書は、高校生から70代までの日本の各地で生まれ育った2800名の協力を得て、ある特定の都市や人々に偏らない、方言や標準語についての現状を明らかにしたものです。言語意識や言語行動を通して得られた、日本人の方言や標準語に対する意見や将来の自分たちのことばへの希望が示されています。方言のなくならない理由や相手や場所の違いによることばの使い分け行動、地域ごとの方言や標準語に対する距離の取り方の違い、そしてまたそうなった理由、将来の地域語への意見、ことば教育に対する学校への希望といった、さまざまなメッセージが含まれています。
本書が対象とする地域は、マラッカ海峡からイリアンジャヤ(西パプア)までの広大な熱帯の海域に分布する島々の連なりである。これらの島々の多くは、現在インドネシアの国土に含まれている。人びとは、それをタナ・アイル(tanah air)という言葉で表現する。タナとは大地を、アイルとは水を意味し、大地と河川や海が一体となった空間を表している。多くの島々と内海が織り成すこの世界は、さまざまなエスニックグループに含まれる、二億人以上の人びとの生活世界である。海が島と島を隔てる壁ではなく、島と島を結ぶ道として機能してきたこの地域では、人びとが頻繁に移動し、分散しながら結びつく、ネットワーク型の社会を形成してきた。海とかかわって生きる人びとを海民と呼べば、海民の海とのかかわり方は、生活の場であったり、移動や交易の場であったり、漁業という生産の場であったりする。かつて、あるいは現在でも、海賊という名の生業さえあり得る海だ。しかも、この地域では一人の人間が同時に、漁民であり、農民であり、交易民であったりする。本書は、そうした多様な面を持つ人びととその社会へのアプローチとして、海を生産の場とする「漁民」から接近するものである。
電磁場(波)による健康障害に関しては、大きく分けて三つの領域で問題になってきた。ひとつは携帯電話などからの高周波が引き起こしている脳腫瘍などの健康障害、もうひとつは高圧送電線や家庭用電気製品などから漏れ出る低周波の電磁波を慢性的に被曝していると、がんや白血病などになるという問題、そしてコンピュータのVDTから出ている、多様な周波数の電磁波が引き起こしている健康障害、特に異常妊娠・出産の多発である。今や欧米では、電磁場とがんなどの健康障害との関係を疑う人はほとんどいなくなっている。本書は、これらの問題をやさしく解説すると共に、どうやって電磁場から守を守るかを具体的に提案する。
日本国際ボランティアセンター(JVC)は、1970年代後半におきた、カンボジア難民救援活動を直接のきっかけとして、タイのバンコクに誕生した。この本は、JVC10周年『NGOの挑戦』に続く、JVCの現状報告であり、悪戦苦闘の物語でもある。
心の豊かさのものさしである「観光」を、文化経済学の視点で読み解く。“観光とは自然、文明、文化を消費する行動であり、地域や一国の経済を支える役割も持つ”。
観光学の扱う多面的な領域を概観しつつ、現代観光が投げかけるさまざまな課題を探る。現代観光学の基礎を学ぶのに最適な、新時代のスタンダード・テキスト。観光に関わる実務担当者にも有用。
ランチェスター戦略は、空中戦における損害量の計算法則から導きだされた「競争の科学」です。第一次大戦中、イギリスで生まれたこの軍事戦略は、アメリカで大系化され、日本で完成されました。本書では、ひとつひとつの項目を文章とマンガで丁寧に説明しています。
複雑微妙な建築の内容の変化を捉えるには、昆虫のような複眼を持つように努力しなければならない。建築史の構成の基本は、個々の建築実例と動向のグループ分けと、それらの時間的な流れをどのように組み立てるかにあるが、近代の建築史では、実例のあまりの多様さと流れの輻輳によって、その組み立てが極度に困難になる。本書では、できるかぎり時代の経過に従って建築の変貌を理解できるように努めたが、それでも読者は、同一の時期にいくつもの建築的な流れが同時に平行していたことを常に念頭に置いていただきたい。
地域女性史研究に関する手引書。著者は、これから地域女性史を編纂したいのでそのための準備講座をしてください、と依頼されるたびに、本書に書いたような内容の話をしてきた。そこに集まる人びとは、地域女性史を編むのはもちろん、聞き書きもはじめてという人たちがほとんどだった。したがって本書は、本当の入門編と思って読んでいただきたい。
ここ数年、日本でも学校支援ボランティアが学校の活動に参加したり、ゲストティーチャーを招いて子どもたちに話をしてもらったり、いろいろなことを指導してもらうということがさかんにおこなわれるようになってきている。本書では、学校と地域の交流がさかんになり、学校と地域のさまざまな協働の活動が展開されることによって、学校の活動が活性化し地域の人びとの間にも新たなつながりが生まれていることを、紹介している。
英国エコノミスト誌で5人の「現代社会のグル」に選ばれた著者が描く“21世紀の新しい経済社会”。新時代に求められる「勝者の戦略」とは何か。
本書は、多国籍企業の活動を包括的、体系的に理解する目的で編集された。またこれまでの多国籍企業論の理論的成果と同様に、多国籍企業の活動実体についてもできるだけ詳しく説明した。また、EUやNAFTA、AFTAなどの最近の地域統合と多国籍企業の活動の関係についても検討した。
本書は、地域福祉計画をにらんだ地域福祉活動計画を策定するための指針となるようなマニュアル。特色の第一は、地域福祉計画と地域福祉活動計画を一体のものとして構成したこと。したがって、地域の実情に合わせて、行政と社協が協働して取り組んでいただけるような工夫を凝らしている。第二に、徹底した住民参加を実現していくための方法とその技術を、わかりやすく書き込んだこと。第三は、地域福祉(活動)計画のつくり方に力を注いだこと。特に、現役の社協職員の方々が日々のコミュニティワーク実践で用いている「方法と技術」を、ステップ30として具体的に記述した。第四には、社会福祉系大学におけるコミュニティソーシャルワーク(社会福祉士)実習の地域福祉援助技術サブテキストとして活用できること。第五に、そのほかにも新たな事項の解説や資料の掲載・説明に力を注ぎ、まさしく地域福祉(活動)計画策定担当者の必携の書にふさわしい内容を掲載した。
「消費者ニーズを掴め」「ネットワークを活用」「新商品開発」「地域社会の振興」「販売戦略」「お客様への感謝」…これらの経営課題をいかにして克服してきたか。近江商人の商法の神髄に迫る。
近世の社会経済の実態はいかなるものか。新史料を駆使し、「検地と年貢」「情報」「産業と市場・金融」という視点から村落の経済システムを実証的に論究。農民の具体的な生活を浮き彫りにし、新たな近世社会像を描く。