本書は都市に発生した直下地震をテーマに、まず百年前の直下地震である熊本地震の経験を取り上げて、現代に活かすべく執筆。阪神・淡路大震災の発生で、さらにそれを踏まえての内容に構成されている。
地震・噴火ーともすれば大きな災害につながるこれらの現象は、昔から人々に恐れられ、何とかその実態をつかもうとする努力が払われてきた。現代科学技術の進歩は、目に見えない地球の内部、あるいははるか上空からの探査に大きな力を発揮し、地動の謎はその正体を現わしつつある。それらの研究の最先端の成果をわが国の第一人者たちが語る。
本書は防災の「マニュアル」ではない。「地震」「津波」「火山噴火」の各章にわけ、各分野の最近の研究結果を紹介しながら、マニュアルに機械的に頼らず、批判的に考え、防災に生かすための問題点や考える方向を示す。
地震学の草創期、防災地震学のために一身を捧げた国民的地震学者・今村明恒の波瀾に満ちた生涯の軌跡。関東大震災を予言して「地震博士」と庶民に慕われ、私財をなげうって地震予知の壮大な観測網を設置し防災の急を訴えながら、第二次大戦のために痛恨の挫折を余儀なくされた一科学者の稀有なドラマが、今ここに甦る。
機械設計の実践から生まれた「のれん力学」。揺れることと壊れることの因果関係を追求。大地震の被害を救うための耐震設計論として、あえて世に問う。
「新橋と銀座が水没した!」全身ずぶ濡れの男女が震える声で告げると、秋川の背筋が寒くなった。高さ数メートルの浸水があった場合、地下鉄の乗客が助かる可能性など、ほとんど考えられなかったー。200X年3月、震度7強を記録した東海・東南海連鎖地震は“大津波”に姿を変えて、日本の太平洋沿岸を蹂躙していく。水に飲み込まれた大都市の恐怖を、克明に描いた衝撃の近未来小説。
巨大地震で流れ出す揺るぎない大地。そこにある謎とは…巨大地震が起こるたびに耳にする言葉「液状化」。しかし、その現象の実態はあまり知られていない。いま、専門知識の扉が開かれる。
未曽有の被害にも挫けずに立ち上がり前向きに歩き始めた雪国・小千谷人の心意気。自身もその被害の坩堝の真っ只中にありながら、取材・執筆・紙面づくりに奔走する地元・新聞記者が、復興への熱い思いを綴る感動の書。
建物の「耐震強度偽装」問題。阪神・淡路大震災のあと、マンションやビルの耐震性は向上したはずだったが、その安全性は、ふたたび不安視されはじめた。そして、いまだ密かに横行する手抜き工事。どんな建物なら安心か。あなたのマンションは大丈夫か。丈夫な建物を、構造と施工の両面から徹底検証。
あの日、2004年12月26日。すべてをのみこんでいった津波。それでも、人びとはまた歩きはじめる。被災したジャーナリストたちがみつめつづけた、インドネシア・アチェの人びとの1年。