1995年兵庫県南部地震以後、地震の観測網は格段に整備され、日本列島は常時、想像もつかない動きをしていることが明らかになった。海洋プレートが列島の下に沈み込み蓄積される巨大な歪みエネルギーが、断層の高速滑りによって一瞬の内に解放されるのが巨大地震。しかし、プレートが年間10cmの高速で沈み込むにもかかわらず、それに見合うだけの地震が起こっていない。大きなギャップがある。この謎に迫るさまざまな試みの中で発見されたのがスロー地震である。マグニチュード7クラスの地殻歪みを、何日〜何年もかけてゆっくり解放し、長周期の大地殻変動を起すため、人間に感知できなかったのだ。この新しい知見を地震予知にどう生かすのか?地震のメカニズムを摩擦法則によって謎解きしていく面白さに満ちた、地震大国日本に住む人々にとって必読の書。
家族が一致団結して地震の備えるためのノウハウを神戸現地取材をまじえ満載。
高齢化が進む中山間地の豪雪地帯で発生した大地震を検証し、自然災害の特徴と今後の対策を考える。中越地震から1年が経過したが、地震防災の必要性を改めて提起する必携の一冊。
地震の起こり方、被害の様相、どう向かい合ったらよいのか等、地震の対策を考えるのに、うってつけの本。
巨大地震からいかに鉄道を守るか、鉄道土木技術に課せられた重大な命題である。兵庫県南部地震の鉄道被害をふりかえり、この命題に技術者がどう取り組んできたのか、そのすべてを分かりやすく解説した。
1855年、震度6の地震が百万都市江戸を襲った。安政大地震である。明日を見失った被災民は、生へ向う意志と復興への願いをこめて、地震鯰絵やかわら版に熱狂する。これら民衆のメッセージは、時空を越えて現代のわれわれにも何事かを訴えかけているに違いない。残された資料の中に災害史の新しい可能性を探る好著。
科学部記者として20年もの間「地震」を追い続けてきた“地震記者”が、日本の地震対策に警鐘をならす。このままでは阪神大震災の二の舞になる。政府・自治体の課題を指摘し、次の大地震にどう備えるか、災害に強い国づくりの方策とは。あわせて私たち個人にできることは何か。渾身の力をこめて書き下ろした必読の書。
ここが危ない。東京・千葉・埼玉・神奈川の危険な地域が一目瞭然。
独自の「時空ダイアグラム」を駆使して、三宅島、三原山の大噴火、さらには雲仙・普賢岳の溶岩流出を予知、見事的中させた、あの木村政昭・琉球大学部理学部助教授が今ここに放つ、衝撃の巨大地震予知。
大地震を二日まえにキャッチする「生物センサー」の不思議。
1994年8月、超過密都市・東京に大地震が襲来、関東大震災では起こりえなかった複合災害が発生する。湾岸地帯の液状化をはじめ、押し寄せる内湾津波、広域巨大火災、交通網・ライフラインの寸断、暴動・略奪行為・パニックの多発、住民避難エリアの環境悪化、地下街の惨状…。本書、第2章でシミュレーションする「平成6年東京湾中部地震」は、決して非現実の悪夢ではない。警戒すべきは東海大地震だけか?東京直下型地震に行政側はどう対応しているのか?“異常なる静穏期”の終末を迎えて、いま地震・火山列島の中枢に空前の大危機が訪れようとしている。