・医学、生物学、公衆衛生における研究課題に対して統計というツールを使って効率的に、研究デザインを策定し、情報を収集し、統計解析を行い、バイアスのない結論を出すために有用な学問として生物統計学がある。
・現代のすべての科学において、エビデンスとして必要なデータを収集したうえで、それを評価することが必要である。この点において、生物統計学はすべての医科学分野の中心的存在のひとつである。
・現代の医学領域、とくに臨床試験においても、同様に中心的存在のひとつでなければならないし、当然ながら生物統計家もそういう自覚をもって、臨床試験に関わらなければならない。
■臨床試験の方法
臨床試験デザインの基礎
臨床試験のエンドポイントの設定ーー適切なエンドポイントに求められる性質
ランダム化と解析対象集団
研究設計に役立つ検定と信頼区間の基本知識ーーα、β、期待する群間差、優越性/非劣性試験、サンプルサイズ設計
臨床試験における多重性の問題
これだけは知っておきたい臨床試験における中間解析の基礎
サブグループ解析とその限界
生存時間データの統計解析
メタ解析の基礎と結果を解釈する際の留意点
■観察研究の方法
観察研究(コホート研究タイプ)の基礎と応用
観察分析疫学におけるバイアス
観察研究の報告において大事なことーーSTROBE声明より
リアルワールドデータを利活用した臨床試験のデザインと統計的留意事項
■方法論の近年の発展
ベイズ流統計学の臨床試験への応用
バスケット試験、アンブレラ試験、プラットフォーム試験ーー実例を交えて
アダプティブデザインの基礎ーー実例とともに
抗悪性腫瘍薬の用量探索試験のためのベイズ流適応的デザインーー3+3デザインからの脱却
PRO/QOLを用いた臨床試験のデザインおよび統計解析ーーSISAQOLプロジェクトより
ログランク検定・Cox比例ハザードモデルに代わる手法を用いるランダム化比較試験の計画と解析
臨床研究におけるエスティマンド
複数の主要評価変数を用いる臨床試験の実際
臨床試験における多重性の調整
後治療の解析ーーRPSFTM
操作変数法
臨床試験に基づく費用対効果評価
治療経過に応じて決まる治療方針の因果効果
■バイオマーカー解析
バイオマーカーを用いた検証的臨床試験のデザイン
がんゲノムデータの探索とバリデーション
臨床試験における分子診断シグナチャーの開発と検証
予測/診断アルゴリズムの性能評価に関する統計学的論点ーーFramingham Risk Scoreから人工知能技術を利用した診断支援まで
■質の担保と有用なガイドライン
臨床試験におけるQuality Management
ランダム化比較試験の報告の質を担保するためのCONSORTガイドライン
ランダム化比較試験の報告の質を担保するためのCONSORTガイドライン
国際共同治験におけるガイドラインーー考慮すべき4つのポイント
EMAによるサブグループ解析ガイドライン
■臨床家と試験統計家のよりよい協同に向けて
臨床研究デザイン・医療統計学のセンスとスキルをもった臨床医の育成
生物統計家育成事業ーー東京大学大学院での取り組み
日本計量生物学会・試験統計家認定制度
・女性の社会進出や環境変化に伴い、検診先進国の英国においてさえ国民検診を実施しないかぎり子宮頸がん死亡率は増加することが示されている。
・性交経験のある女性の8割以上にHPVが感染し、その9割は自然消退するものの、一部は持続感染化してがんとなる。多くは無症状であるため、検診を受けないかぎり子宮頸がんや前がん病変の発見は困難であろう。
・本特集では、このような状況に危機感を共有する専門家に集合していただいた。子宮頸がんに関する日本の現状、このままHPVワクチン接種が滞るとどのような不利益が発生するかについて報告する。
■ HPVワクチンと子宮頸がんHPV1次検診
・はじめに
・日本と世界の子宮頸がんの現状
〔key word〕ヒトパピローマウイルス(HPV)、子宮頸がん予防ワクチン、組織型がん検診、周産期医療、リプロダクティブ・ヘルス
・HPVワクチンの有効性と8年にわたる接種率の低迷がもたらす負の影響
〔key word〕子宮頸がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)、HPVワクチン、ワクチン勧奨
・HPVワクチンの副反応問題
〔key word〕ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン、副反応、有害事象、紛れ込み
・思春期の子どもの機能性身体症状とその対応
〔key word〕機能性身体症状、心身症、変換症、起立性調節障害、接種ストレス関連反応(ISRR)
・子宮頸がん検診におけるHPV検査ーー細胞診・HPV検査併用法とHPV検査単独法
〔key word〕子宮頸がん検診、ハイリスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)検査、細胞診・HPV検査併用検診、HPV検査単独検診
・子宮頸がんのない未来へーーWHOの世界的戦略
〔key word〕子宮頸がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)、予防接種、根絶
・子宮頸がん検診におけるHPV検査導入の意義と年齢別解析による効率化
〔key word〕ヒトパピローマウイルス(HPV)検査併用、子宮頸がん検診、年齢別解析
●TOPICS
腎臓内科学
・慢性腎臓病患者への生活食事指導は費用対効果に優れるーー腎臓病戦略研究(FROM-J)の結果から
社会医学
・海藻摂取と循環器疾患
脳神経外科学
・頭部外傷に対する神経集中治療
●連載
オンラインによる医療者教育
・17.Withコロナ時代のオンライン多職種連携教育ーー課題と展望
〔key word〕多職種連携教育、オンライン教育、COVID-19
ユニークな実験動物を用いた医学研究
・15.クマムシ:極限ストレス耐性のメカニズムーーヒトへの応用を展望して
〔key word〕クマムシ、極限環境、ストレス耐性、乾眠、DNA防護
COVID-19診療の最前線からーー現場の医師による報告
・9.専門家会議ーーこれまでの背景と役割
●フォーラム
中毒にご用心ーー身近にある危険植物・動物
・2.スズランーー若芽をギョウジャニンニクやアマドコロなどの山菜と誤食すると
オンライン診療の二元論
・1.医療とデジタルーー診療報酬差額がもたらすもの
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
2300億円近い予算を投入。震災後四半世紀を経てなお、事業完了せず。「新長田駅南地区震災復興第二種市街地再開発事業検証報告書」を徹底検討した「市民検証報告書」
本書は、監査の基本的な役割、仕組みや方法を分かりやすく説明しています。大学の教材として、また公認会計士試験を目ざす方々の入門書として最適の書です。第8版は、監査基準の2020年改訂ならびに監査の品質管理基準の2021年改訂などを織り込んだ最新版となっています。
第三者委員会のあるべき本来の姿を明示!!不祥事発生時の対応からクロージングまでの実務を詳細に解説!久保利弁護士、國廣弁護士による最新テーマの座談会を収録!コーポレート・ガバナンス構築のための必須の情報が満載!
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生命科学・医療系の大学・大学院で必要な情報リテラシーをまとめた教科書。PC・タブレットなどの情報端末やネットワーク、OSの環境・利用状況の多様化を盛り込んで改訂。Microsoft 365に対応し、Windows 11での操作も追加してバージョンアップ。さらに、macOSについても解説が加わりました。Word、Excel、PowerPointなどの主要ソフトの使い方から、ChemDraw、BIOVIA Drawでの化学構造式の描画、情報検索とその信憑性の判断、情報セキュリティと情報倫理、実験データの整理、論文の作成、学会発表の準備まで、「調べて、まとめて、発表する」ために必要なスキルをあますことなく解説しています。
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なぜ会計制度が必要なのか?また会計制度は利害関係者にどのような影響を及ぼすか?実証的なアプローチから会計や諸制度の本質を考えるテキスト。
本書は、IFRSをはじめて学ぶ人を対象に、IFRSの基本的な考え方を理解するために必要な基礎知識や主要なIFRSの概要を解説したものです。第7版では、IFRS財団の新しい組織構造やIFRSの将来像に関して、第4章の全面的な見直しを行っているほか、第2章と第3章においても、第6版以降のIFRSの改訂を一通り反映しています。
いま金融機関に求められるサステナブル経営とは?そして管理会計はその実現にどう寄与するのか?戦略マネジメント・システムを活用した抜本的改革のためのフレームワークを提示。
プロの監査人を“内部”で育てその役割を最大限経営に活かす必読の50項。日本の内部監査人のレジェンドが綴る箴言集。
・概日リズム(体内時計)は神経、内分泌、消化、代謝、循環など、さまざまな生命活動をコントロールしている。近年、これらの生体機能に加え、概日リズムによる免疫系の制御機構が明らかにされている。
・概日リズムが、リンパ球自身の生物時計や交換神経の活動、糖質コルチコイドなどを介してリンパ球のリンパ器官への集積を促し、免疫応答能を高めるというものである。
・今回の特集は概日リズムと免疫系の関係のみならず、概日リズムと免疫が関係する病態や疾患との関係性にも焦点を当てたものである。
■ 免疫系の概日リズム
・はじめに
・グルココルチコイドによる免疫応答能の概日制御
〔key word〕グルココルチコイド、IL-7R、Th2細胞
・交感神経を介する免疫細胞動態の日内変動
〔key word〕交感神経、免疫細胞動態、免疫応答、日内変動
・体内時計による免疫機能と癌の制御
〔key word〕生体リズム、時計遺伝子、癌、免疫
・アレルギー疾患と概日リズム
〔key word〕概日時計、アレルギー、IgE、マスト細胞
・体内時計による関節リウマチの制御
〔key word〕関節リウマチ(RA)、関節炎、炎症性サイトカイン、時計遺伝子
・関節リウマチの特徴を考慮した時間薬物療法
〔key word〕関節リウマチ(RA)、時間薬物療法、生体リズム、メトトレキサート(MTX)
●TOPICS
輸血学
・「血液製剤等に係る遡及調査ガイドライン」の一部改正について
脳神経外科学
・がん遺伝子パネル検査による脳腫瘍治療
再生医学
・日本の再生医療等安全性確保法に遵守した臨床用ヒトES細胞株の樹立とその現状
●連載
オンラインによる医療者教育
・23.コロナ有事における教員と学生のコミュニケーションーー名古屋大学の事例
〔key word〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、医学部教育、カリキュラム、コミュニケーション
COVID-19診療の最前線からーー現場の医師による報告
・15.呼吸療法:侵襲的人工呼吸管理とECMO概論
バイオインフォマティクスの世界
・4.マイクロバイオームと臨床メタプロテオミクス:共棲細菌がチームで働く仕組みの解明
〔key word〕メタプロテオミクス、腸内細菌、質量分析、バイオインフォマティクス、タンパク質アミノ酸配列データベース
●フォーラム
中毒にご用心ーー身近にある危険植物・動物
・8.キョウチクトウーーアレクサンダー大王は遠征中に多くの兵を失ったと伝えられているが……
オンライン診療の二元論
・3.新規と既存ーーオンライン診療参入企業は何思う
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
≪本誌の特長≫
◆リハビリテーション科医ほか関連各科の医師、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など、リハビリテーションに携わる医師とスタッフのためのビジュアルで読みやすい専門誌!
◆リハビリテーション領域で扱う疾患・障害を斬新な切り口から深く掘り下げつつ、最新の知識・情報を紹介。臨床でのステップアップを実現する、多彩な特集テーマと連載ラインナップ!
≪特集テーマの紹介≫
●回復期リハビリテーション病棟が壇上して20年以上が経過し、当初の目標であった6万床を大きく超えて9万床以上となり、さらに増加している。
●数が充実する一方、質の担保、実績指数への対応、転倒率の高さ、ICTを中心とした感染対策など極めて重要な課題を多く抱えている。
●本特集では、回復期リハビリテーション医療に精通する著者陣が、種々の課題や今後の展望について解説。医師・メディカルスタッフだけでなくリハ医療に携わるすべての人にとって有益な内容となっている。
【目次】
回復期リハビリテーション医療の歴史と現状
回復期リハビリテーションの課題と展望
回復期リハビリテーション病院の評価と診療報酬
回復期リハビリテーション病棟のリスク管理
回復期リハビリテーション病棟における医師の役割
■新連載
慢性疼痛のリハビリテーション
1. 慢性疼痛の病態と機序
■連載
回復期・生活期リハビリテーション医療に必要な内科的管理
1. 糖尿病(インスリン治療を含む)
ニューカマー リハ科専門医
徳永貴久
知っておきたい神経科学のキィワード
2. LTP(長期増強)とLTD(長期抑圧)
リハビリテーションと薬剤
10.リハビリテーションでよく遭遇する症状・症候と薬剤:7意識障害・認知機能障害
リハスタッフが知っておくべきプレゼン(学会発表・講演)のコツ
11.魅せるスライド:1. 「伝わる」スライドづくりの基本
リハビリテーションスタッフがかかわるチーム医療最前線
14.高知大学医学部附属病院リハビリテーション部
リハビリテーション医学・医療と私
第1回 雑誌の草創期を振り返って
臨床経験
インコボツリヌストキシンA(ゼオマイン®)を使用してA型ボツリヌス製剤を400単位を超えて上下肢に同時使用した脳卒中後四肢痙縮の1例
臨床研究
ロジスティック回帰分析を用いて脳卒中患者の回復期リハビリテーション病棟における運動FIM改善を調査した報告のレビュー
TOPICS
脊髄損傷者における排泄管理の退院支援