歳入不足が表面化するなかで、抜本的な見直しを迫られる税制。負担の水平的公平を図った消費税導入をはじめ、戦後税制の修正過程を詳述。
税制の歪みを質しあるべき姿を問う。
著者自身が身をもって、直接に体験し行動してきた消費税への抵抗の激しい闘いの40年を超える歩みにおいて、税制公正化の実現に魂を燃焼させた「経験的反消費税闘争史」。独創的に構築した税務会計学の基本原理に基づく学理的主張を基盤として、税制改革論議のステージにおいて、民主主義社会における本来的な税財政のあり方について所見を展開。消費税導入後30年の国民からの収奪により消費が低落し、消費税率のアップの度ごとに経済は大きなダメージを受け、貧困と格差が深刻化し、社会の分断化が進行してきた実相を解明。激動している消費税の歴史的推移に従い、大平政権の一般消費税との闘い、中曽根政権の売上税案を廃案にした闘い、竹下政権の消費税導入謀略との激しい闘いの状況を証言。世論の反発により参議院で消費税廃止法案の可決、細川政権の「国民福祉税」騒動の真相、橋本政権による消費税増税の実施、安倍政権による2回にわたる増税の実施を検証。
未曾有の戦時増税に納税者はー減税要求がもたらした所得税廃止という結末。対GDP比200%超という累積債務を抱えた近代英国は、深刻な国債危機にどのように向き合っていったのか?戦時中にプライマリー・バランスを採用することで、財政=軍事国家システムはどのように変容したのか?
第66回大会のシンポジウム「ケインズは甦ったか」の収録、代表的な財政学者による学界の到達点と課題を指し示す展望論文、さらに選りすぐりの投稿論文を収め、財政と財政学の今日的課題を明らかにする。
第72回大会シンポジウム「アベノミクスと税財政改革」、招待講演論文“Some Empirics of Compliance Gaps、”代表的な財政学者による学界の先端研究と課題を指し示す特別寄稿論文、選りすぐりの投稿論文を収め、財政と財政学の今日的課題を明らかにする。
日本財政学会2016年次の知的営為の集大成。第73回大会シンポジウム「貧困を考えるー人生前半の社会保障と財政」、招待講演論文“Policy Insights from a Tax-Systems Perspective”、代表的な財政学者による学界の最先端と課題を指し示す特別寄稿論文、選りすぐりの投稿論文を収め、財政と財政学の今日的課題を明らかにする。
本書は、『消費税の政治力学』『消費税「増税」の政治過程』に続き、わが国の消費税と政治の関係を分析・検討している。本書を含めた3部作では、1970年頃から2021年の約50年間における政治過程を、消費税という視点から取り上げてきた。この間、消費税問題は常に時の政権に少なからず影響を与えてきた。一方、政治も軽減税率の導入等、消費税の仕組みに相当の影響を与えてきた。3部作を通して、新聞報道や世論調査の動向、政治家や利益集団等へのインタビュー等をもとに、消費税が政治に与える影響、政治が消費税に与える影響を明らかにしている。本書では、安倍政権後期から岸田政権誕生までを分析対象期間として、その政治過程を詳細に分析・検討している。
先進諸国の中で最悪の状態にあるわが国の財政赤字問題に、いかに対応するべきか。具体的施策・実施のタイミング、実体経済との関連など、財政健全化のための主要な問題点を整理し、経済理論から検討して政策への手がかりを提供する。
年金・格差・財政再建・政府の在り方など話題のテーマをゲーム理論など最新の手法を駆使して系統的に分析。
財政赤字はなぜ生み出され、累積されたのかー「見えない財政危機」にあえぐ日本財政の本質に迫るべく、財政金融、地方財政、予算、社会保障、税を網羅的に分析。日本の財政運営の特殊性を抉りだすため、先進諸国の経験を素材に「比較財政史」という新しい方法を提案する。
医療が変わる、在宅が変えるーいま、わが国に求められる新たな医療のかたちー在宅医療。病院医療から在宅医療への転換は、医療をどのように変え、何をもたらすのか。省庁、業界団体へのインタビューのほか、現場の最前線の声、周辺産業の市場動向も掲載。2013年現在の、そして未来の在宅医療の姿を知るために必読の書!
「中福祉・低負担」から「中福祉・中負担」への財政・社会保障改革は実現可能なのか?日本の財政のマクロ・データに加えて、「国民生活基礎調査」(厚生労働省)の個票データ、筆者独自の「税・社会保障についての意識調査」などのマイクロ・データを分析。納税者の深層心理や税・社会保険料負担の実態に基づいた、日本の財政と社会保障の改革のための将来ビジョンと道筋・時間軸を提言する。