シューマンの繊細かつ優美な世界。ブラームスの躍動感あふれる心地よさ。ムソルグスキーの“死”をイメージした暗い激情や悲壮感。オペラ歌手としての幅の広さが十分に伝わってくる1枚だ。
日本のオペラ界の草分け的存在(二期会の創始者の1人)であり、日本を代表するバリトン歌手であった中山悌一の伝説的名唱を集めた6枚組。得意のドイツ歌曲が中心。
最高の音で楽しむために!
326の選曲によるコンピレーションは自身による(3)を含め、ロック、ポップス、ニュー・ミュージックと、夏を演出する多彩なナンバーが満載。奥田民生やウルフルズのドライヴ感あふれる楽曲から、小田和正、松たか子などしっとりムードの楽曲まで、あらゆるシーンで聴けるはず。
これほど美しく自然に歌われた「詩人の恋」を聴いたことがあっただろうか。若々しい歌声と優しく寄り添うピアノがかもし出す情趣を何とたとえれば良いのだろう。詩人ハイネの言葉とシューマンの音楽が絶妙に調和したこの上ない歌唱として高く評価したい。★
一般音楽教育に生涯情熱を燃やし続けたカバレフスキーのピアノ曲集。小林道夫が演奏するが、タッチもはっきりと明確で、こどもばかりでなく、大人にもよい手本となり、また楽しめるアルバムだ。標題も想像力をかきたて面白いが、豊かな旋律がまた楽しい。