本書は、複素数・複素平面の復習から説きおこし、双曲幾何学の具体的なモデルを主な舞台として、クラインによる視点から非ユークリッド幾何学の世界を解説した入門書である。まず、合同変換・相似変換の複素数表現から始め、その自然な拡張としてメビウス変換を導入する。つぎに、球面上の幾何学を概観した後、本書の主題となる双曲幾何学の典型的なモデルを構成し、双曲三角法の基本事項を説明する。さらに、やや高度な内容として、“双曲タイル貼り”、“2次元双曲多様体”、“2橋結び目”など、現代の数学への橋渡しとなるトピックスについても概説する。複素数が織りなす幾何学の世界を存分に感得することができる格好の案内書である。
本書は、生物学とその周辺分野を学ぶ人たちのために、具体的な例を通して数学的概念と技法を紹介し、数学モデルを用いて生命現象をとらえることのおもしろさと、こういったモデルを理解し解析するテクニックの基礎を提供する。
陸上生物の種の八割を産するといわれる熱帯雨林。そびえ立つ40mを越す常緑樹の頂部でくりひろげられる生物たちの営みは見る者を圧倒する。動物たちの呼び声ではじまる朝、活発な生物活動が展開する昼、芳しい香りの夜。世界各地のフィールドで観察をつづける著者が、森の実像を生き生きと描き、多様性の秘密に挑む。
グローバリゼイションの名の下に、先進国とりわけ欧米諸国は、WTO(世界貿易機関)を媒介に「特許獲得」と「遺伝子工学」という新しい武器を巧みに使って、第三世界を再植民地化しようとしている。これはコロンブス以来行なわれてきた植民地政策の究極の形である。グローバル化は、長い時間をかけて世代を通して培われてきた「地域固有の知識」の価値を否定するばかりでなく、生命自体をも植民化しようとしている。市民は生物学的多様性と文化的多様性を守るために立ち上がらなければならない。世界的な環境科学者・物理学者の著者による反グローバル化の思想。
森を破壊する文明から、森を核とする文明へ「森」から都市と自然を再生する。
虫は3000〜5000万の種類がいると推測されており、人類の英知を超えた世界に生きている。その虫の極小世界を、デジタル写真技術で生態を再現した画像と「虫屋の目」の薀蓄に富んだエッセイで、鮮やかに浮き彫りにする。本書は虫屋のみならず、すべての自然愛好家の垂涎の書である。
日本的経済モデルの進化は、前進と後退を繰り返しているように見える。しかし、深層では漸進的な改革の積み重ねが時間の経過の中で広汎な変化をもたらすというパターンを見出すことができる。本書では日本が一五年もかけて問い続けてきた「何を誤ったのか?」という疑問にはかかわらない。代わりに日本が今後どのような方向に向かうのかという、もっと重要な疑問に焦点を当てる。
『3級公式テキスト新版』に完全対応!!出るところだけをイラスト・表でやさしく解説。
日本のスピリッツ、本格焼酎&泡盛、味香の饗宴。
政策の節度を保つためーつまりは費用対効果を保つため、温暖化対策基本法には「コスト抑制条項」を提案、再生可能エネルギー全量買い取り制度には「便益積算による買い取り価格設定」を提案する。
時間と空間が織りなすダイナミックな進化を読み解く。生物はいかにして驚くべき多様性をもつまでに進化したのか?そして世界中いたるところに広まったのか?徹底的に地図で読むという画期的な視点で迫る名著。総地図総約250、図版数約450、索引数約1000。
科学と文学が見事に融合し、技術文明のありかたに警鐘を鳴らしたカーソンの作品に環境問題の原点を読み解く。文学のなかの生態学。
知りたいことは何でも聞くゾ。好奇心全開の生徒と科学を日常の言葉で語る先生との迫真のライブ。生きものの科学はこんなに面白い!基礎から最先端まで、この一冊で免許皆伝。
人間型ロボット造り最大の命題、それは「人間とは何か」を解明することにあった!取材、執筆に丸2年!早稲田大学、大阪大学、東京大学、経済産業省、ホンダ、ソニー、NEC…日本のロボット開発の最新動向や現代科学の最新理論から「ヒューマノイド」の未来を探る、渾身のサイエンス・ノンフィクション。