昆虫類のすさまじいまでの減少の理由とは。田舎の里山を保全するための現実的な方策はどこに。メディアと政治のコトバと化した「生物多様性」擁護・懐疑両派の怪しげな言説を問いただし、イキモノと日本各地の自然環境の実像について興味深い事実を数多く紹介しながら、自然を守る本当の手だてを視野広く述べた注目作。
日本で記録されているクモ目Araneae61科471属1659種(日本産クモ類目録2018)のうち、857種(一部、未記載種および新種を含む)のカラー生態写真を掲載。研究者だけでなく、広くクモ類に興味を持つ方、林学、公衆衛生、環境アセスメント、公園管理などの実務に従事する方など自然科学に興味を持つ幅広い層の人にとって必携の書。大学、博物館、研究所や大学図書館、公共図書館、郷土資料館の図書室などの参考書として最適。
2000年にデンマークのNGO(Stop the Violence)が、北欧最大級の音楽祭であるロスキレ・フェスティバルで始めた「人を貸し出す図書館」ヒューマンライブラリー。障害者、ホームレス、性的少数者、薬物依存症の人、外国人就労者など、社会のなかで偏見やスティグマを経験したことのある人々が「本」になり、一般「読者」と対話をするこの「図書館」は、世界中に広がり、現在では90カ国以上で開催されている。本書では、大学や団体をはじめとする国内外の多様な実践を紹介すると同時に、偏見の低減効果やヒューマンライブラリーの運営がもたらす学習効果を分析し、自己と他者の関係性の再構築、また、日常の生活空間と差異を再構築する場としてのヒューマンライブラリーの意義を論考する。
ブナの森では、ブナの木を中心にいろいろな生き物がつながりあってくらしています。ブナの森がなぜ自然豊かな森なのか、ブナの森の四季をたずねて、そのなぞをさぐってみましょう。
クリティカルな都市計画史へ。来るべき都市計画史の思考と実践。
生物多様性を、人の暮らしとの関わりにも配慮し、写真を多用して、具体的にわかりやすく紹介されている。自然と共生する生き方を探るための優れた案内書。
本書は、イギリス在住のキュレイターであるレーナ・フリッチュが、「西洋」の視点と日本文化への深い造詣を総動員した日本写真史の概説書である。豊富な写真と丁寧な解説で写真の歴史を辿り、入門書でありながら有用な解説書ともなっている。森山大道、荒木経惟、川内倫子など、日本写真史のなかで重要な位置を占める写真家へのインタビューも収録した。国際共同出版として、写真評論家・飯沢耕太郎氏の翻訳監修により日本語版を刊行する。
地域の自然や生態系、生物多様性を活かした復興は可能なはず。しかしこの甚大な被害を前に耳を傾ける人がいるのか。とまどいながら被災地に入った生態学者と仲間たちが現場で出会ったのは…。各地の経験から「海と田んぼからのグリーン復興」の可能性を探る。
食器用洗剤シャンプー洗濯用洗剤…毎日使っている製品に含まれる「合成洗剤」の危険性とは!?「水」だけで驚くほど汚れが落ちる健康的・衛生的な洗浄の新常識!
存在(ある)から発展(なる)へ、つまりは、可逆的な力学的世界観から不可逆的な熱学的世界観へ。非平衡熱力学の哲学的意義を説く。
いま世界の海があぶない。海にあふれるプラスチックゴミ、拡大する外来生物、失われる海の多様性…。現場に精通した研究者・行政・NPO関係者たちが、いま何がおこっているのか、これからどうすればいいのか、その本質に迫ってゆく。
歩きまわる研究者たちの実践。研究者はフィールド調査での忘れられない出来事を研究対象としてどう問題化するのか。観光研究の多様なアプローチを追体験しよう。
100年後、この国はどんな言葉を話しているのだろうか。人工知能の出現と浸透が「人間とはなにか」を問うように、多言語社会の到来は「言語とはなにか」を問う。それらの問いはそれぞれに、“人間性”を際立たせ、“言語性”を突き詰めさせるのかもしれない。「言語接触」はその問いを解く重要な鍵であることはまずまちがいない。