近年、爆発的な人口増加や大規模な土地利用の改変などによる自然生態系への人為的な撹乱が地球規模で進み、生命史上かつてない速さで数多くの生物が絶滅の一途をたどっている。それに伴う生物多様性の喪失は、自然生態系の機能の低下だけでなく、未来資源としてかけがえのない生命情報の消滅そのものであり、人類にとって計り知れない損失をもたらしているーこのような生物多様性の危機を踏まえて、生物多様性の創生・維持機構およびその生態系にはたす役割、さらに、生物多様性と人間社会の相互作用の解明をめざすのが、いま、注目を浴びる「生物多様性の科学」である。
英語ができるだけじゃ足りない!社会を語り、文化を論じ、人を見つめる、国際コミュニケーションに欠かせないセンスを養うヒントがぎっしり詰まった著者渾身の書。
生態系の維持・消滅について理論的に何が予測できるのかを明らかにし、そのうえで現実的かつ有効な環境保全の指針を明晰に説く。複雑系としての生態系の構造を理解するための最良の入門書。
形態学を成り立たせ、人々に興味を呼び起こすものは、形に含まれる「意味」である。生物の形態については古くからさまざまの説明ないしは意味づけがなされてきた。本書はそれらに検討を加えながら、生物の形とその意味について考察し、同時に、形態学とは何をする学問なのかを明らかにする。専門の解剖学の知識をフルに活用し、生物学をはじめ哲学や文学まで古今の文献を豊富に引用しながら、興味津々の議論が展開される。科学嫌いの人も思わず引き込まれる、破格の「形態学総論」である。
森を破壊する文明から、森を核とする文明へ「森」から都市と自然を再生する。
あなたのなかには、地球46億年の大変動が隠されている。「氷の世界」に秘められた生物巨大化の謎を追え。
不思議に満ちた植物の世界が一目でわかる!意外に知らない身近な植物の姿。
虫は3000〜5000万の種類がいると推測されており、人類の英知を超えた世界に生きている。その虫の極小世界を、デジタル写真技術で生態を再現した画像と「虫屋の目」の薀蓄に富んだエッセイで、鮮やかに浮き彫りにする。本書は虫屋のみならず、すべての自然愛好家の垂涎の書である。
世界的経済学者ヒール教授の環境保全戦略論。数学や経済学の知識なしでやさしく読める!市場メカニズムと地球環境との関係を明快に解説した環境経済学入門テキストの決定版。
建築も都市ももっと美しく、内から輝くものになり得る。相互につながり交流し、多様なものを内包しつつ都市をつくる建築。その思想と手法をめぐって、第一線で活躍する15人の建築家たちと語る珠玉の対談集。現代建築の軌跡を浮かび上がらせる充実した解説と脚注が付く。
どのような共同体をどのように実現するか?問われているのは日本のリーダーシップだ!俗説を排し、安全保障問題、中国の位置づけ、共同体意識の醸成などの課題を直視し、歴史的・文化的背景の解説を交えながら、実現の条件と方策を明らかにする。日本の命運を左右する国家課題。
風景への人びとの感情、思い、行為に価値を見いだし、住民、企業、行政の対話による環境施策を提言。
深海の生物を豊富な事例をもとに解説する。オックスフォード大学・海洋生物学テキストの翻訳。
日本的経済モデルの進化は、前進と後退を繰り返しているように見える。しかし、深層では漸進的な改革の積み重ねが時間の経過の中で広汎な変化をもたらすというパターンを見出すことができる。本書では日本が一五年もかけて問い続けてきた「何を誤ったのか?」という疑問にはかかわらない。代わりに日本が今後どのような方向に向かうのかという、もっと重要な疑問に焦点を当てる。
私たちの心は、どこまでがヒントに独自なもので、どこからがほかの動物と同じなのだろうか。かつては、ヒトの心の研究は、哲学や心理学の領域だった。しかし、今では神経科学、生物学、物理学や工学の研究者たちが、まじめにヒトの心を理解しようと研究している。さまざまな色の研究という光を当てることで、ヒトの心の輪郭がはっきりしてくる。本書では、心理学の領域にとどまることなく、むしろその領域の内外に出入りすることで、可能な限り多面的にヒトの「心の輪郭」を浮かび上がらせようとしている。
現代世界の主要アクター中最も新しく、かつ国家等他のアクターを超える弾力性をもって、平和・人権・貧困・環境等、今日の最先端課題と取り組むNGOは、その自発性と非営利性と相まって、現在の国家・企業型社会に代わる未来の地球市民社会展開への重要な予兆であることは疑いない。このNGOに関し研究者と活動家が一丸となり、理論、類型、他のアクターとの関係、実態等の全てにわたり包括的に論究した、地球の未来を考える万人必読のテキスト。