グローバリゼーションの波の中で今なお深刻な食糧難に喘ぐアフリカや東南アジアの低開発国の視点から現代世界のフード・セキュリティー問題に鋭くアプローチする。農業政策から開発・食糧援助、食糧の生産・流通・管理システムに至るまで、地域の社会・経済的背景の分析によって食糧事情の多様性を浮彫にし、食糧確保のための真に有効な戦略とは何かをさぐる。
複雑さ・知識・学習を重視する現代進化経済学の立場から、20世紀の新旧のユートピア(中央集権的社会主義、純粋自由市場経済)を批判し、資本主義を超えた、将来の実行可能な社会経済システムを展望する。
「環境と企業」が21世紀の企業活動のキーワードなら、今まさに「経済大国」日本は何をすべきなのか?「環境と企業」を知り尽くし、日米の経営にも熟知した著者が答える21世紀の企業経営の本質。
ローカルな視点で資源・環境問題の実態を捉え、持続可能な発展を地球規模で考える。地球存続のために第一人者が提示する環境人類学の視点。
本書は保全生物学の入門書を意図している。保全生物学は21世紀にはわれわれにとって最も重要なもののひとつになるだろう。これは、遺伝子、種、および群集を枯渇させずに利用できるよう自然界についての情報をもたらすことにつとめ、われわれの惑星の豊かさを特徴づける生物の多様性を維持することを目的にしている。われわれは重大な挑戦を受けているが、それに正面から向かい、われわれがこの仕事を行なうための道具となるような知識を急いで開発しなければならない。このテキストは主として大学生レベルの教材として書かれたものである。本書は、読者が生物学についての基本的な知識を持ち、またある程度は生態学について知っているという前提で書かれている。
本書は、日本の森林の樹種構成や多様性の成り立ちを紹介することを全体の目的として書いたものである。古典的な森林動態ではなく、文字通りダイナミックで劇的な変化が森林の維持や樹木の多様性維持にはたす役割をむしろ述べている。また、樹木がそうしたダイナミックな変化や他の生き物たちとの相互作用の中で、いかに多様な生活史を分化させているのかを紹介する。
生命の糸をつむぐ受精という現象、その一方の主役である精子について、この分野の第一人者が語る。生殖細胞として雄の体内で形成されるプロセス、受精のしくみや尻尾(鞭毛)を動かすための精妙なメカニズムなど、生物科学の最先端の問題から、動物の生殖行動の不思議、生殖介助医療などの社会的に注目される話題まで、興味は尽きない。
プロバイオティクス(保健効果)による特定保健用食品や薬品、バイオプリザベーション(食品保蔵)、生分解性プラスチックなど、伝統的な食品技術を基盤として多方面に発展しつつある乳酸発酵の研究開発最新事情を紹介。
歴史・文化・文学から読み解く言語の宇宙。スペイン語研究の歴史的名著、待望の翻訳。
東方拡大、さらに憲法条約の採択を成し遂げたEU。その先にあるのはいかなる共同体の姿か。果たしてEUは国家をも超えるのだろうか。この問いに答えるために、そもそもEUはどのような組織から構成される政体であり、また統合の起点となった1950年代から現在に至るまで、各国がどのような交渉をつみ重ねながら深化・発展させていったのかを明らかにしながら、その将来像を考察する。
本書の重要な考え方の一つは、企業における業務とは、人・プロセス・テクノロジの適切な組み合わせであり、この順番で重要であるということである。現在の市場は細分化が進んでおり、消費者の行動の変化も大きくなってきている。こうした変化に迅速かつ的確に追従できなければ、お客様の満足を得られず、販売機会を逸し、売れない商品の山を抱えてしまうことになる。これを解決する鍵が、本書で繰り返し説明されている人とプロセスへの十分な配慮なのである。
この本の主題である生物多様性ほど、今日人類に差し迫った科学的問題を想像することはできない。生物多様性は進化の中でどのように育まれてきたのか。なぜ人類にとって決定的な意味をもつのか。どうすれば守ることができるのか。ウィルソン博士は豊富な体験と驚嘆すべき博識にもとづいて情熱的に説きあかしていく。「生物多様性」を地球環境問題のキーワードにした名著。
下巻には第三部「人間の影響」を収めた。いま人間の活動によって、どれほどの生物が絶滅の淵に追いやられているのか。生物多様性という資源には、人間にとってどのような価値が潜んでいるのか。ウィルソン博士はこれらのことを豊かな具体例をあげて明らかにした上で、世界の生物多様性を守るための方策を明確に示し、地球環境のための新しい倫理を提唱する。
数学者から見える、可能性に充ちた量子論の世界。多様体にかわる新たな概念を構築、刺激的な論理へ読者を誘うこれからの数学と物理学に贈る、幾何学者からのメッセージ。
「廊下を歩いていると左側の物によくぶつかる」「自分の左側にいる人が見つからない」「食事の左半分を食べ残す」(左側半側空間無視症状)など、主に脳卒中によって、ある特定の領域(空間)が認知できなくなる「半側空間無視」の複雑な障害像について、さまざまな臨床検査の結果やリハビリテーションのための訓練課題を紹介。治療やリハビリに関わる専門家が、高次脳機能障害とその周辺問題を十分に理解し、適切な介入と対応の方策を考えるための貴重な一冊。