明治の実業界を動かし、中央線に鉄道を走らせて「政治の伊藤博文、金の安田善次郎」とともに「事業の雨宮敬次郎」として明治の三傑にあげられる巨人の数奇な生涯をはじめて小説として描く渾身の力編。
ありえないほど仕事がデキない変人オヤジ、雨宮経理課長。彼に振り回される32歳独身の比佐子はなぜ雨宮が会長に気に入られているのかが腑に落ちない。ある日、左遷が決まった雨宮のパソコンにおかしな動きの業績グラフが…。ユートピア文学賞特別賞受賞の心温まる、ちょいミステリー。他一篇収録。