近年、地方の時代と言われ、全国各都市での都市行政の動きは活発である。中でも、まちづくり意識の台頭とともに都市景観や都市の個性について重視する傾向が強い。昭和40年代後半から、ショッピングモールや緑道整備が活発になり、50年代にはコミュニティ道路をはじめとし、水辺の整備、公園、広場、一般道路に至るまで整備の範囲は多彩になった。本書は、これまでのまちづくり、都市づくりのうち、都市景観に視点をおいて、優れた事例、最新の事例を具体的な手法とともに、全国16例の都市について紹介し、今後のデザイン実務に役立つように書かれている。行政担当者、都市デザイナー、および商業の活性化に携わる方々へのよき手引書としてお薦めしたい。
手ごたえを求める現代の若者の性を乾いたタッチで描く、高橋三千綱の鮮烈な小説世界。夫の暴力から逃れようとする若い女を中心に、変幻自在に揺れ動く心と肉体のどうしようもない焦燥感を的確に表現した秀作「まち子の夜景」、都市近郊の情景の中に、若者たちのよるべきなき愛と性を描く「天高く」ほか二編。
巨大都市TOKYO。男と女がうろたえ、怒り、涙する。なぜ彼らの日常が犯罪になるのか?弁護士だから見つめられる人間の哀しみを背負いつつ、中町公一が法廷をカンバスに人生を描きあげていく。裁判小説の新境地を拓く佳作短篇集。
本書は、政治参加の一形態である国民の選挙行動を、京都をモデルに厖大な選挙統計データを用いて実証的に分析した研究書である。京都府・市における国・地方レベルでのさまざまな選挙結果の精細な解析を通して、日本人の政治意識と選挙行動様式の変化を興味深く浮き彫りにした選挙の「政治学」。
日常化した授業妨害、暴行、そして破壊。荒れ狂う「指導困難児」とその予備軍を前に、市教委、校長、教師、父母たちは、なにをなし得たのか?本書は、自ら闘い、そして傷ついた若き元女講師が、「荒廃中学」の実態を生々しくリポートする。これは「一学校」で起った特殊現象ではない。
あめ、あめ、おそらにかえれ。くものかあさんに、だっこされてねんねしな。うたいながらボムちゃんは、スプーンに、あめをのせて、ポーンとそらにほうりあげました。すると…。