20世紀精神史への問い。ともに哲学の刷新を掲げて出発し、今世紀を代表するに至った二人の思想家の友情と葛藤の軌跡を刻み、ナチズムと戦争によって引き裂かれた時代の転変を映し出す、第一級のドキュメント。
人間の両性性を無視し、〈女性的なもの〉の徹底した排除と抑圧によって成立したドイツの近代ーその倒錯し矛盾にみちた精神史・心性史を、シュミットの著作に秘められた暗示を読み解きながら描き出す。
本書は、これから物理学を学び研究を志そうという人や、物理に興味をもつ一般の文系・理系の人びとを対象に書かれている。必ずしも物理を専門としていない、いろいろな分野やレベルの人に、量子の世界の研究をわかってもらうために、かなり簡略に書いてある。さらに詳しく知りたい読者のために各章の終わりにいくつかの参考文献がのせてある。
能の世界に魅せられ、女子禁制600年の伝統社会に独力が立ち向かい、幾多の障壁を乗りこえて明治・大正・昭和の激動期を芸一筋に生きぬいて、遂には女流能楽師の先駆けとなった津村紀三子ーその阿修羅のごとき生涯の変転を同行者たちの証言をもとに描き出す。
本書は、まず、1870年代の日本でたいへんな人気を得た、サミュエル・スマイルズの『セルフ・ヘルプ』(邦訳『西国立志編』)を分析する。そして、教育を受けて、俸給生活者になるという、立身出世の理想像がその後の数十年間に、一部の士族層から一般へと広がっていく中で生じたさまざまな変化を描きだす。これはある意味では思想史である。しかしそれは、特定の個人を取り上げるような普通の意味での思想史ではなく、すべての日本のインテリが経験したある体験の変容をたどり、彼らが学校へ行き、職を得る中で共通に身につけたエートスを扱うものである。注目するのは、日本人全体ではなくて、近代日本の政治的・経済的・文化的リーダーになることをめざしていた若者たちである。本書はまた、日本の「新中産階級」の登場の物語であり、拡大していくこの集団に加わろうとする若者たちの奮闘と挫折の物語でもある。
現代デンマークで日常用いられている単語をできるだけ網羅することを目的に作られた辞典。2万語余を収録。初心者にも便利なように、名詞・動詞・形容詞の不規則変化形や派生語も記す。
入試レベルの漢文をこの一冊でクリア。語彙力と句形の攻略本。高校1年生の基礎がためはもとより、センター試験・四大・短大・推薦入試対策にも最適。
美しい形をした鉱物の結晶は、その内部の原子配列の規則性に原因がある。さまざまな方法を駆使して、鉱物を科学する。
戦後50年におくる一世紀半の歴史。対立と協調を繰り返してきた日本と米国。複雑な様相を呈する日米関係の変遷を、ペリー来航から現在に至る長期的視点のもとに一望する、はじめての本格的通史。
本書は、もともと中級レベルの日本語学習を終えた留学生が、経済学の基礎を学ぶためのテキストとして企画されたため、たいへんわかりやすく簡潔な文章で書かれている。したがって、経済学を学ぼうとする日本人にとっても非常に理解しやすいものになっている。