今日の日本社会は、公正な新しいジェンダー関係の構築をめざしての試行錯誤ともいえる動きとゆらぎの中にあるといえる。ではいったいどんな関係なのだろうか。たとえば、ジェンダーはある種の階層と考えてよいのか、あるいはジェンダーによってむしろ階層が分断されているのか。市場構造と家族構造とはどのように関わっているのか。現代日本社会におけるこうした階層システムとジェンダー・システムとの関係構造を明らかにするのが、本書である。
著名な宗教史学者・アッシリア学者である著者が、編集者モンサクレを聴き手に物語った古代メソポタミア文明物語。自らの研究史を縦糸に、メソポタミアにおける文学の発生、呪術、卜占、宇宙観、学問、宗教、裁判と経済、ギルガメシュ叙事詩など、旧約聖書の背後に刻まれた人々の豊かな営みを横糸に、読者を古代世界に誘う。
遺伝子研究の現場にいる著者が実際にどのようなことをしているか。命や生きものは本当に素晴らしいということ。
本書では、楕円関数についてできるだけ平易に解説。初等的な知識のみを仮定して、記述を分かりやすくしている。予備知識としては、関数論の基礎、代数および幾何の大学3年生程度の基本的な知識があれば十分であり、読者としては、大学4年生から大学院生を想定する。
欧米諸国から突きつけられたeビジネス時代の絶対条件である「第2のIT革命」情報セキュリティ“ISO15408”を解説。
議院内閣制度と選挙制度を解剖。政治は機能しているか。選挙制度、政治システムの国際比較を通して比較政治制度論の新たなフロンティアを開拓。
明治初期から昭和40年までの農山村の野良着を収集・分類・整理し、それらの用途と年代、材質、形態などを精査して働く庶民の創意にみちた衣服のかずかずを復元・記録しつつ、高度経済成長期以前の日本人の衣生活文化の豊かさを見直す。
本書は、Mathematicaの入門書であると同時にMathematicaを使って通信工学を理解しようとしたので、一応通信工学の基礎は理解していることを前提としている。構成は第1部にMathematicaの基本的事項を述べ、第2部に通信工学への応用を述べた。
NSPE(全米プロフェッショナル・エンジニア協会)出版の“Opinions of the Board of Ethical Review”(1964-1998)に収録された400事例の中から、我が国の技術者が直面しそうな83事例を抜粋翻訳。事例毎に、事実関係・問題点・参照条項を記載し、倫理審査委員会の考察と結論を述べる。技術者が、技術倫理を理解するための演習問題集として役立つ。21世紀に活躍するプロフェッショナルエンジニア必携の書。
われわれの社会生活は、好むと好まざるとにかかわらず、様々な場面で様々なかたちで企業活動と密接に関係している。そのため、ひとたび企業が逸脱的な活動を行った場合には、その影響もきわめて大きなものとなる。企業犯罪がわれわれの関心を集める所以である。薬害/欠陥商品による事故/労働災害/環境汚染/証券・金融不祥事等、そのような事例については枚挙にいとまがない。このような企業活動によって引き起こされる被害の重大性ゆえに、企業活動規制に対するわれわれの関心はその予防・統制に集中することとなる。そしてこのような文脈において、刑事制裁も有害事態の防止という側面からその役割を果たすよう期待される。もちろん、企業の問題行動に対する有効な防止策を考えることは必要である。ただ、そのような観点から刑事制裁は有効なものであろうか。また刑事制裁を有害事態の防止手段として捉えることに問題はないのであろうか。そのことを本書では問う。
「政治学の中心テーマである政策決定過程に最初に科学的・実証的分析のメスを入れた」村川一郎教授の遺著。