熱力学・統計力学が物理学、いやもっと広く多くの分野の基礎に占める役割の重要さは、今も全く変っていないと考えられる。学問の進展に合わせての改訂はもとより必要であるが基本的なところでの理解、習熟を目的とする本書ではそれはあまり強く要求されない。一方、度重なる増刷のために原版の歪みも限界に近いので、今回、組方の刷新、活字の大きさの調整などを主として修訂版が刊行されることになった。僅かながら残っていた誤りの訂正はもとより、全体を再検討し、記述が荒削り過ぎたところ、読みやすさに対する配慮が足りなかった点などの修正を行った。
比喩と寓話で誰にでもわかりやすく道理を説いた『孟子』。真の学問修得を志す者の必読書とされた『大学』。孔子の思想をいっそう明解にした『中庸』。『論語』とともに「四書」に数えられる三つの書、中国人の知恵の源流をまとめた一冊。社会で納得のいかないこと、人生の中でぶつかるさまざまな疑問など、乱世に生き残るための考え方のヒントが隠されている。
19世紀日本の各地で澎湃として起こった歴史的遺蹟の発掘や考証、記念碑建立の活発な動きを検討することによって、近代の史蹟空間を作り上げた歴史的想像力と文化構造の特質を明らかにした労作。
企業にとって現在のような不況下にこそ必要なのが、ムダを排除し、社員の士気を高めて職場を活性化することである。沈滞した組織を活性化するのが、カイゼンだ。本書は、カイゼンを基本とした5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾のローマ字の頭文字をとってつけられた名称)を、指示・命令でなく、自発的に実行することで徹底し、継続させていく方法を、具体的実例を中心に解説。
チェルノブイリ原発事故、ダイオキシン…、致命的な環境破壊を増殖させる社会のメカニズムを分析。エコロジー運動の展開にも多大に貢献した欧米でのベストセラー。
激動の前四世紀にギリシア統一を訴えた、弁論術の巨星の全容が今、蘇る。本邦初訳。
正月の餅はどこから来たのか?ハレの日の食物として日本人に特別の意味をもつ「もち」をめぐって、モチイネの栽培から食品加工、民俗、儀礼にわたってそのルーツを探り、アジア稲作文化の視点からこの特異な食文化の謎を解く。
本書は、モリエールの代表作『守銭奴』の訳注書である。17世紀に書かれたこの作品は、現代においてもしばしば上演され、広い観客層からの支持を受けている。モリエールの喜劇に描き出されたさまざまな人物像は、人間の本質を鋭く捉えるものであるために、時代や国境を超えて観客(読者)の心を惹き付けてやまない。
本書は「色」、「香り」、「形」、「咲く」のシンプルなタイトルの4部から構成されている。というのも、花粉を運ぶ動物や昆虫たちのみならず、私たち人間もこの4つの特徴により花を認識していると考えたからである。さらに、この花の色、花の香り、花の形、そして花の咲きかたこそが、まさに繁殖のために進化してきた花の特徴でもある。本書では、花の多様性ならびにその美しさに秘められた進化の謎を、繁殖生態学、化学生態学、分子生物学、生理学などの多彩な側面から紹介する。
『哲学者の書』はなぜ幻の書で終わったか。1870年代後半の思想的転回を追究し、古典的で健康な人間の「強さのペシミズム」と近代ロマン主義的な「下降としてのペシミズム」の間で「自由なる精神」を模索するニーチェの思想営為を照射する。研究の刷新を目指す意欲策。
本書は日本の少年団運動の成立と展開について、明治後期から戦後にボーイスカウトとしての復活するまでの過程を、新たに発掘した資料等によって記述し分析した。
アイテム、アクセサリーはもとより、歴史服、民族衣装から最新のストリート・ファッション、リアルタイムのファッション・ビジネス用語まで、全12分野をジャンル別に構成したファッションの総合辞典。