コペルニクス体系の基礎を解明し、同時に新しい科学方法論を確立した不朽の名著。地動説論証のためにガリレイが直面しなければならなかったさまざまなスコラ学体系の難関・障壁と、それがいかにして突破されたかが如実に示されている。近代科学の黎明を告げる大著であり、科学革命の宣言書である。
本書の公刊は1632年。今日でこそ地動説は不動の真理として認められているが、ガリレイの生きた時代にあってはコペルニクス体系を支持することは容易なことでなく、この本を書いたためガリレイは異端審問にかけられた。しかし、地球の運動の証明に捧げられた本書は、新しい科学の方法論を確立した科学史上の古典として遺された。
17世紀ヨーロッパに始まる「科学革命」が日本に波及したのは、ようやく18世紀後半のことである。この西欧近代の科学的認識をいち早く受け入れたのが天文学者たちであった。6世紀以来中国天文学の圧倒的影響下にあった日本が近代天文学というこの全く異質の認識体系をどう受けとめたかを、文化受容の一典型として論究する。