重力波ーアインシュタインが100年前に存在を予言していたそれが、ついに検出され、一般相対性理論に裏づけを与えた(2017年ノーベル物理学賞)。この大発見に至るまでには、何十年にもわたる冒険的な研究と、巨大科学プロジェクトをおびやかした多くの諍いもあった。天文学専門の科学ライターである著者は、世界を飛び回って取材し、「重力波天文学」黎明期の国際的努力とその科学的内容をわかりやすく魅力的に語る。LIGO、日本のKAGRA、南極のBICEP…世界中の観測機器の写真も見ごたえ十分。
宇宙はひとつなのか、我々はひとりなのか。世界の「見方」が変わる最新宇宙論入門。身のまわりの日常から宇宙の果てまでー宇宙物理学者の思考は∞!
日本学術会議物理学委員会主催の公開シンポジウム「基礎科学研究の意義と社会ー物理分野から」の講演内容を再録。物理関連分野を例に、基礎科学の(1)学術としての意義・面白さ、(2)人材育成、国際化、(3)社会への貢献・イノベーション、を中心のテーマに据え、社会とどう繋がり、いかに重要かを説くとともに、科学史研究やメディアの視点なども取り入れながら、今後の基礎科学の発展への方向性を議論する。物理学各分野の第一人者が、各々の分野の特徴や研究手法の違い、社会との接点を踏まえた解説を行う。
わが国では、数多くの地学現象を目の当たりにすることができ、地学を学ぶうえでこの上ない環境にある。しかしながら、理工系大学をはじめとして、地学は学校教育の場でないがしろにされている。このような現状を逆手にとって、高校で地学を学ぶ機会のなかった人に、複雑そうな地域の内容をわかりやすく伝えたのが本書である。本書は固体地球科学、気象、天文の3部構成となっており、各部は独立しているためどの部から読み始めてもいいようになっている。また、各章の内容を穴埋め式にして簡潔にまとめた「基本事項の確認」や、教員採用試験等にも役立つ「演習問題」を付した。大学で実際に講義を担当する著者らにより執筆されており、理科教員を目指す大学生や地学のリテラシーを習得したい理工系学生にふさわしい書である。
果てしない宇宙は「火の玉」に始まった!?古代からの天文学史、ガリレオに始まった天体望遠鏡や宇宙探査の歴史、太陽系の惑星や彗星、HH天体、超新星爆発、ブラックホール、深宇宙、天の川銀河、大星雲、星の一生、銀河の衝突、ダークマター、ダークエネルギー、宇宙の誕生と終焉…最新宇宙論や美しい天体写真を元に宇宙138億年の謎に迫る!!
本書の目的は、科学と技術の発展の歴史を、その始まりの時期から科学と技術の密接な協同が開始される時期までにわたって描きだすことにある。