たとえば、太陽はそのエネルギーの大半を可視光で放射するが、星が放つ光は、赤外線や紫外線など、すべての波長帯の電磁波に及ぶ。二〇世紀にいたって、さまざまな「天からの文」を読み解くことが可能となり、ガリレオ以来、あくなき研究の的であった宇宙の姿が少しずつ明らかになってきた。膨張し進化する宇宙には、未だ解明されていない暗黒物質や暗黒エネルギーがある。最先端の研究を紹介し宇宙の歴史に迫る。
周波数・時計測定の精度はレーザー冷却などの光技術で近年画期的に進展し、2005年度のノーベル物理学賞の研究テーマに深く関係している。本書は、時間を測る時計について、原始的な方法から原子時計の最新の手法に至るまで時計の原理と技術、性能について解説している。原子時計の物理的原理について初学者が理解できるように、基礎となる力学、電磁気学、光学、相対論、量子力学、レーザー、原子物理学、物性物理学などが本書で説明されている。それゆえ、学部・修士課程の学生や技術者、非専門家にとって、原子・分子・光物理学の良い参考書にもなっている。一方、本書にはアイデアが生まれた歴史的・技術的背景について多くの記述があり、時計や技術の歴史書や啓蒙書としても興味深い。
ビッグバンによる宇宙の誕生から137億年。最新の電波望遠鏡により「目に見える宇宙」だけでなく「見えない宇宙」の観測までが可能になった。銀河系中心部に存在するブラックホールや、マゼラン銀河に発見された「銀河のたまご」…。生きている宇宙の素顔を最新の技術で解き明かす、現代天文学の最前線。
宇宙に存在する天体の不思議な姿に多くの天文学者が魅了され、そしてその謎を探るべく研究に取り組んできた。しかしまだ人類は、太陽系天体の一部をのぞき、その天体に出向いて調査・研究をすることはできない。膨大な観測データをもとに、真の宇宙像の姿を探る日々を続けている。本書は、歴史上、特に天文学者の注目を集めたあるいは今現在も集めている20の天体について解説する。
石川ゆかりの偉人たちの少年時代に焦点をあてたシリーズ。「Z項」を発見した天文学者、木村榮の少年時代。
海上保安庁刊行の「平成19年天測暦」から、航海の海技国家試験受験者のために特に必要な部分を抜粋したものであり、実際の天文航法用のものではなく練習用のもの。
写真や図を用い、科学用語や概念を詳しく解説。隕石の分類、起源から、隕石の探し方、隕石を追い求める魅力的な人々の姿まで、幅広く網羅。プラネタリウム館長、科学者、隕石コレクターとしての著者のエピソードがちりばめられ、科学書でありながらも、肩肘を張らずに読めるよう工夫されている。有名な隕石ハンターを取り上げたはじめての本。
その向こうには何がある?巨大な装置で誤差を抑え天体の運行を観測した時代。レンズで対象との距離を縮め、間近に天体を覗こうとした時代。電波や宇宙線など、人間の五感を超えた情報で宇宙を探った時代。宇宙は人間の持てる道具とともに、その広がりと奥行きを深めた。この先、人間は宇宙にいったい何を発見するのだろう。先史時代の天文遺跡に始まり、コペルニクス、ブラーエ、ケプラー、ガリレオ、ニュートンら偉人の業績をひもとき、量子力学と相対論によって劇的に変貌した20世紀天文学へ、宇宙物理学へといたる。研究最前線の学者による壮大な天文学通史。写真・図版多数。
中国語訳『電車男』から『三国志』とUFOの関係まで、中国4千年の歴史が生んだオタク的素材をオタク的にとりあげて語る中国学の入門講義。
約5000項目の見出し語は、文部科学省の『学術用語集天文学編』をはじめとする天文学関係の各種辞典類、用語集から選び、また欧文の書籍・雑誌も参考にし、それらに掲載されていない最新の用語も適宜採り入れてある。「準惑星」、「太陽系外縁天体」などあらたに提案された天文用語から、「あかり」、「ひので」といった日本の観測衛星、計画中のプロジェクトまで、可能な限り最新の用語も採り入れた。最先端の科学用語とはいえなくなったが、現在でも広く天文学の分野で使用されている星座名、星の固有名、各種天体の通称名などは積極的に採用した。原則的に小項目主義を採用し、各項目の定義的説明のあとに重要度に応じて解説を加え、適宜中項目、大項目として扱っている。特に現代の天文学に大きな位置を占める「パルサー」や「ブラックホール」といった用語については、その歴史的経緯を含めて解説してある。「北アメリカ星雲」、「ふくろう星雲」など天文ファンになじみ深い星雲星団も数多く見出し語として採用し、これらの天体の物理的機構もわかりやすく解説した。
国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト開発の4次元デジタル宇宙ビューワーMitakaでは自宅でカンタンに宇宙空間を旅することができます。137億光年の彼方を目指して、宇宙旅行へGO。