第5回サントリーミステリー大賞、読者賞ダブル受賞。
「元寇と台風」「関ケ原合戦時の天気」「享保の大飢饉」など、史実と天気との関係を究明した本書は、歴史学と気象学との学際的な協力の成果として大きな反響を呼んだ。「歴史と気象」という分野に荒川氏が情熱を傾けたのは、出身地の白河で、冷害に悩まされる農民の姿を見ていたからではないかと考えられる。
誕生から現在にいたる歴史と山にいどむ人間の姿を科学の目でとらえ、また、日本の山々の魅力を存分に、山を愛する人々に贈る。
本書は、大気がもっている情報の中から「はかる」行為を通じて抽出した情報で、どのように大気の姿を描いてきているのか、また、人々の社会・経済活動に対し、寄与しているのか、はたまた寄与しようとしているのか、抱えている課題は何かなど、大気が送ってきている情報を解読する上で必要なよりどころに焦点をおいています。
明治39年3月25日、米国の富豪ヘンリー・ジフの来日を機に中国の古美術に詳しい一人の老漢学者が失踪した。黒岩涙香の命によりシフの来日目的をさぐる「万朝報」の記者・天童晋介の前に陸軍参謀本部の影が…。シフと接触を図ろうとする功刀参謀本部少佐。そして参謀本部の裏文庫の地下に秘匿されている中国の古美術品の数々…。虹家コレクションとよばれるこの古美術品をめぐって次々におこる殺人事件。虹家コレクションとはいったい何か。その秘密とは…。中国の古美術の謎に挑む気鋭の長篇歴史ミステリー。
世のなかおかしなことハラの立つことが山ほどある。あなたに代わってとことん調べてみると-。朝日新聞家庭面連載中。
1.55トンの高炸薬を抱いて水中特攻兵器『回天』に搭乗し、敵艦船めがけて己れの肉体を飛散させることと思い定め、自らを駆りたてて死地に赴いた4人の青年たちの苛酷な生と死を描く鎮魂の書。
ルネサンスの続く間、史上でもまれなる瞬間だが、科学と倫理学とが単一の哲学体系たるピュタゴラスの「神聖哲学」へと組み込まれていった。科学はより高度の目的に従属させられたとはいえ、人生にあって欠くべからざる第一歩だった。この理由から、ピュタゴラス派の教義は非常に強くルネサンス人に訴えた。それは、人間は完全になる可能性があるという考えを弱めることなく、自然学の研究を力説した。あらゆる二元論の彼岸を目指す「全体知」の源泉たる最古の思想伝統=ピタゴラス主義の歴史と、とりわけルネサンスにおけるその再興および詩学への影響を巨細に論じる無比の大作。
「芝居がひける」「店がはねる」といった奇妙な誤用はどうしておこるのか。「平清盛」とはいっても「足利尊氏」とはいわなくなったのはいつからか。「言語同断」は本当に間違いか。ことばの保守主義者を自認する国語学者が、明治以後のことばづかいの「揺らぎ」を検証し、言語生活百年の変遷をみつめたエッセイ。
白いミニ鯨スナメリの出産のドラマ、働き女房の居候亭主アンコウ、ひょうきんもののラッコ、伝説のヒロイン人魚のモデル、ジュゴン。海に生きる動物たちの生活は、驚くほどの知恵と愛情に満ちている。地球環境を守ることが緊急の課題になっている現代、私たちは今こそ動物たちの生きる姿に学ばなければならない。著者は、日本一の入館数を誇る鳥羽水族館の館長。ユーモアたっぷり、珠玉の動物エッセイである。
空を仰いで…、風を感じて…、季節を愛する気象エッセイ。
「心」と「からだ」の転換期を元気にこえて、自分のための“第二の人生”をスタートしよう。さあ、まだ40代、お楽しみはこれからだ。