ひたすらに恋い慕ってくるおれんに戸惑うばかりの将太。おれんと義妹の理世たちとで、花菖蒲を見にいくことに。そこでおれんから「色恋がわからなくなったっていいから、あなたをあたしにちょうだい」と正面から告白される。-いや、俺は恋を知っている。心を殺しているだけだ。一方の理世もその日、小さな事件によって自分の気持ちを理解した。血がつながらないとはいえ、こんな想い、あってはならない…将太にすがりつきたい衝動を、理世は必死に抑え込む。にわかに背徳感が蠢き始める禁断の第3巻!
新島襄とともに同志社の創立に尽くした元会津藩砲術教授・山本覚馬とその妹八重子の辛酸の軌跡を描く表題作をはじめ、幕末の動乱を生きた男たちの姿を活写する会心の歴史小説集。
故郷に残った幼い肉親たちへの手紙には、兄としての寛容さと決して泣きごとを言わない明るさがあった。異国の地で若い命を散らした無名の兵士たちで、兄弟姉妹・友人に宛てて送った手紙他、日記や手記、詩歌俳句を収録。
長女涼子。ひとりっ子の舞とともに別居生活を始めたばかり。舞を名門幼稚園に通わせるためで夫と離婚する訳じゃない。次女美雪。大学受験を控えて上京。独り住いの義兄の家に居候中。ただならぬ恋の予感を感じている。そして三女由香。オテンバな高校受験生。不思議な恋人ができたようだ。美しい三人の姉妹をめぐる恋模様が次々と波瀾を呼び奇妙な事件が巻き起こる。家族と愛とサスペンスの物語。
おしゃれとは心ときめかせ、向上を旨とした生き方、という著者。手紙やはがき一枚出すにしても、四季折々の風雅をこめて出したい。気の利いた言葉を毛筆で美しく簡潔に書き、ちょっと絵を添えて…。相手を思いやる気持ちがあれば、それは自然と形になって表れる筈という。日々のやりとりの中から生み出された文面の工夫、余白の取り方、文字の配置など国貞はがきの楽しく素敵な世界。
額田王は近江朝という『万葉集』第一の開花期に最大の歌人として登場する。作家の井上靖は、『額田女王』で華麗な才媛のロマンに満ちた生涯を復元している。しかしその出自については、『日本書紀』に「天皇、初め鏡王の女、額田姫王を娶して、十市皇女を生しませり」とあるだけであり、現在定説とされているもののほか異説も多い。歌人としての長年の関心にもとずき、その歌にうたわれた背景・行動を検証し、加えて文献的検討、歴史学、考古学的研究から、独自に、額田王の実像に迫り、アプローチする。
自らも俳優だった実兄が、ふってわいたような“妊娠騒動”で世界中の話題をさらった米トップ女優ジョディ・フォスターのすべてを明かすーレズビアンのカップルに育てられたこと、悪夢のストーカー体験、同性愛の真偽、アカデミー主演女優賞に二度輝いた裏話や監督業の難しさ、そして実兄だけが知っているジョディの素顔。
日常の身近な出来事、興味ぶかいテーマから選んだ41題。さあ、一緒に考えよう。
古代の女性たちは、政治的・経済的に大きな力を持っていた。進展する研究成果をふまえ描かれた豊かな古代女性の姿は、“妹の力”幻想を超え、現代社会を問い直す可能性を示す。わかりやすく語る、格好の古代女性史入門。