「お義兄さん、抱いて。私、この日を待っていたの」豊麗な裸身を惜しげもなく晒して抱きつき愛撫を迫る義妹。妻にはない艶気と愛らしくも熟れた肉の感触が、矢島を男に!20年前に会った時から密かに感じていた邪な欲情が玲子のほうからの哀願となって実現するとは…こうして妻の妹との、絶対秘密の蜜会がはじまった。
ある日偶然見つけた押入れの穴。光のもれてくるその穴を覗いてみると、そこは妹の華鈴の部屋だった。塞がなければならないと思いつつも、一人身体を慰めている華鈴から目が離せなくなる秀治。そう、華鈴はなんとオナニーをしていたのだ。秀治の視線の先には、誰にも見られていなという安心感からか、エロ本をオカズに大胆に自慰に耽る華鈴。それまでは華鈴に女としての魅力を全て感じていなかった秀治だが、これを目撃したことにより彼は自分の妹に対する認識を改めざるをえず…。
脳障害を負って生きてきた著者は語る。「私は条件をつけずに愛されました。このまんまの私を受け入れてもらえました。脳障害であることは大変ではあるけれど、私の存在を否定する材料にはなりえませんでした。…私は私自身でありさえすればよかったのです」と。その、魂に共鳴する言葉のひとつひとつに、気持ちが洗われ、生きる力が湧きだしてくる。
本書では、モーツァルトからレハールのオペレッタまでの有名な2重唱曲を年代順に構成しました。なお、モーツァルトの作品全部とレハールの「メリー・ウィドウ」には、日本語訳詞を付け、フランス語の「カルメン」には小さくカナ発音を付けました。また巻末には、各曲ごとに曲目解説や原語の対訳を載せ、歌う時や鑑賞の時の参考手引きとして活用できるよう配慮しました。
合理的思想と自然科学が波及し、「光の世紀」と呼ばれたヨーロッパの十八世紀。啓蒙主義の伝播が遅れ、真の「近代的改革」の不在がいわれてきたオーストリアでも、新思潮は確実に浸透しつつあった。啓蒙専制君主ヨーゼフ二世による「都市近代化」が人びとに与えたものは、束の間の残像などでは決してない。それは、都市の社会文化を規定する、根底的変革をもたらしたのだ。「光の世紀」が喚起した、これら社会文化史的変容の諸相を探る。