古い文明は必ず美酒を持つ。醸造酒でありながら世界的に見ても珍しい蒸留酒並みのアルコール度を誇る日本酒。麹カビから育てた酒の文化史・社会史を古今の書に探り、科学の眼で語る。「火入」「生〓(もと)」「山廃造り」等、日本の酒造りの方法はどこが興味深くまた優れているか。醗酵学者・坂口博士(1897-1994)の日本酒読本。
神楽坂をそぞろ歩く大身旗本の娘綾香は、不思議な笛の音に導かれて骨董屋咲花堂を訪れた。主の上条綸太郎が吹いていた龍笛に心奪われたのだ。「龍笛は、龍神を呼ぶ故、自分の前世が何かを分からせてくれるんや」と語る綸太郎。やがて奇妙な幻夢を見た綾香は、ひとりの若者と出会う…。人の世のはかなさと抗しがたい宿縁を描く、人気シリーズ第七弾。
王朝の男の理想像「昔男」の人生を、「初冠」(成人式)から臨終まで、秀逸な和歌とともに語る短編連作歌物語集の傑作。美男で心優しく情熱的な昔男には、高貴な女性も市井の女も、老いも若きも心を奪われないではいられない…。王朝の人間模様を生き生きとつづり、後世の日本文化に大きな影響を与えた作品。現代語訳・原文・注釈・コラムなどによって、哀切な純愛から年をとった男のいささか滑稽な姿までを縦横に楽しめます。
2600 万部を超える人気コミック「魁!! 男塾」が、
破天荒な超絶バトルごと、実写映画化!!
“ 日本男児の教科書”と言われ、圧倒的な影響力を与えてきた漫画の中の漫画、実写不可能と言われた「魁!! 男塾」が、ついに、実写映画となった! 日本の何処かにあるという、武士道精神を継承し真の男を育てる私塾、男塾。剣の達人・桃太郎(坂口拓)、ド根性男・富樫(照英)、野生児・虎丸(山田親太朗)、そして軟弱男の秀麻呂(尾上寛之)も入塾してきた。常軌を逸したシゴキと懲罰に耐え、血と汗と涙の塾生生活をともにする仲間たち。男塾の乗っ取りをたくら
み、邪悪集団、関東豪学連が戦いを仕掛けてきたー。
監督・脚本は世界で絶大な人気を誇るアクション俳優の坂口拓が、初メガホン。アクション監督と同時に、主演の剣桃太郎役も務める。
出演は、照英、本作で俳優デビューの山田親太朗(山田優の実弟)、それぞれ富樫、虎丸として、桃太郎とともに三大凶殺に挑む。CGなしのリアルアクション満載。血湧き肉踊る、ジャパニーズアクションエンタテインメント。日本発世界照準の娯楽活劇の誕生である。
現代音楽の理論と実践にかかわる代表的な用語を解説。作曲家と音楽学者の発言や文章を多数収録。巻末には各用語に関連する作品の年表を掲載。日本版のために「テクスチュア」の項を新設、年表も増補。現代音楽基本用語集。
「法で裁けぬ者は閻魔が裁く」神楽坂閻魔堂の開帳と時を同じくして、悪辣な材木問屋の惣兵衛が斬殺された。凶器は閻魔堂の守り刀。鑑定を行なった咲花堂の上条綸太郎は、その刀にただならぬ“気”を感じる。その後も、悪事を働く者が次々と…。閻魔裁きの正体、そして綸太郎に突きつけられる血の因縁とは?新たな展開をみせる刀剣目利きシリーズ第八弾。
人の執念の怖さを怪奇の世界に描いた秋成。人の弱さが招く悲劇をむせび泣くように語る近松。運命の歯車が動き出す!原文の魅力をそのままに、あらすじと現代語訳付き原文ですらすらよめる新編集。
文明開化の明治新世相のなかで、次々と起きる謎の奇怪な事件。それにのぞむは、赤坂氷川町の隠宅で自適の日々を送る、幕末の英傑、勝海舟。彼の名(迷?)推理にほだされつつ、事件解決に活躍する紳士探偵、結城新十郎。そして勝手に首を突っ込んでくる、個性様々な仲間たち。独特のユーモアと毒舌のなかに文明批評のわざをピリリときかせながら、卓抜な推理的構成で捕物帖の面白さを堪能させる、安吾の傑作エンタテインメント。
ブレイクのきっかけとなった“SK-?”CMへの提供曲の新ヴァージョン「Gypsy Dance 2008」を収録したアルバム。ヴァイオリンとギターの邦人デュオだが、バンドネオンやパーカッションを迎え、エキゾティックな中にも華やかに聴かせる。所属レーベルは葉加瀬太郎の肝入り。なるほど。
おじいさんが竹ばやしでみつけた、ひかりかがやく竹。ふしぎにおもってその竹を切ってみると、なかには小さな女の子がちょこんとすわっていましたー。日本で最初にうまれたお話。
1946(昭和21)年4月に発表された「堕落論」によって、坂口安吾(1906-1955)は一躍時代の寵児となった。作家として生き抜く覚悟を決めた日から、安吾は内なる〈自己〉との壮絶な戦いに明け暮れた。他者などではない。この〈自己〉こそが一切の基準だ。安吾の視線は、物事の本質にグサリと突き刺さる。