一八世紀後半からの対外関係の進展と権力へのその反作用を正確に具体的にふまえた上で、江戸時代後期の政治史を検討する。
文化外交が、いつも相互理解の手段であるとは限らない。それは非政治的な外套をまとっていても、つねに「観衆」を意識し、その心をとらえようとする権力的な動機に支えられている。まるで演劇が上演されるように、国家は競いあって自らの文化的魅力を発信するのである。本書は、戦後イギリスのプロパガンダの系譜を解明することで、このような国際政治の演劇性を描くものである。
精神医学の第三世代のトップを走る著者が、これまでわが国で主流を占めてきた『分裂病者』の現象学的研究から、さらに一歩踏みこみ、フロイト、ラカンを中心とした構造論的研究方法を展開する。精神病理学・精神分析学を超えて、人間理解に深く鋭い視点を提供する新しい思想・哲学の書でもある。
本書は、現在行われている電気生理モニタリングの基礎、手技、応用が非常に詳細に記述されている。初心者が遭遇するさまざまな問題点についても細かく解説がなされており、これから術中モニタリングを手掛けたいという人にとって参考になる。
第二次大戦後アメリカの教育は、社会的正義実現の先駆として、地域間、人種間、男女間等、あらゆる差別の撲滅をめざし突き進んだ。そこで生起した様々の対立と矛盾ー連邦支援と地方の主体性喪失、人種差別撤廃と白人の郊外脱出、大量進学と教科の多様化及び学問的教科の衰退はじめ、次作『学校改革抗争の100年』でさらに強調される、理想追求と教育の実質、量的拡大と学力形成等、改革が孕む二律背反関係を浮彫りしつつ、The Troubled Crusade「葛藤続きの教育十字軍」35年間の全貌を活写した代表作。