ニュートリノ観測でノーベル賞を確実視されていた物理学者が、最期の11ヵ月に綴った病状の観察と死に対する率直な心境。
星のかけらを拾って地球に戻るまで、60億キロを、7年間かけて旅をした惑星探査機の運命。その全プロセスにおいて、プロジェクトチームに綿密な取材を続けてきた著者が、他では知り得ない情報をふんだんに盛り込んだ。「はやぶさ」ファンも知らない未公開の事実、わくわくする証言が続々と公開される。
東日本大震災で最大の犠牲者を出した石巻市は行政や医療機関も機能がマヒし、「石巻医療圏」22万人の命は宮城県災害医療コーディネーターである著者に託された。状況不明の避難所300ヵ所、いつまでも減らない大量の急患数…かつてない巨大災害に、空前の大組織「石巻圏合同救護チーム」を指揮して立ち向かい、地域の医療崩壊を救った一外科医の思考と決断のすべて。
日本社会を震撼させた連続射殺事件の犯人、永山則夫。生前、彼がすべてを語り尽くした膨大な録音テープの存在が明らかになった。一〇〇時間を超える独白から浮かび上がる、犯罪へと向かう心の軌跡。これまで「貧困が生み出した悲劇」といわれてきた事件の、隠された真実に迫る。
1999年9月に起きた茨城県東海村での臨界事故。核燃料の加工作業中に大量の放射線を浴びた患者を救うべく、83日間にわたる壮絶な闘いがはじまったー。「生命の設計図」である染色体が砕け散り、再生をやめ次第に朽ちていく体。前例なき治療を続ける医療スタッフの苦悩。人知及ばぬ放射線の恐ろしさを改めて問う渾身のドキュメント。
ニュートンよりも、ライト兄弟よりも、偉大な奇跡を成し遂げた男の物語。
技術的負債・経営との不和。プロジェクトの理不尽。上がらない生産性。そのすべての正体は不確実性の扱い方の失敗にあった。「コミュニケーションにおける不確実性を減らすには?」「技術的負債を解消する方法とは?」「経営陣とエンジニア間の認識のずれを解消するには?」エンジニアリングにおける、課題を解決する思考の整理方法やメンタリング手法を解説!
とうとう乗ってきました。〈日常〉を日本にのこし、列車のリズムに身をまかせ、〈時〉という贅沢にひたって過ごした7泊8日。世界最長、〈汽車のなかの汽車〉165時間の完乗記。
Change!をうたう21世紀のアメリカ。だが1世紀前は?没後50年になる黒人作家ライト(1908-60)が証す凄まじい貧困。南部に生まれた気性烈しい子供は、大人への妥協を拒み衝突を繰返す。叔父が殺され初めて人種を意識した事件、南部の苛烈な現実へのめざめを湛えた少年の眼。叙情とバイオレンス漂う自伝小説。
銃殺刑に処す、執行は24時間以内ー。スターリン粛正を生き抜き、60年ぶりに故郷の土を踏んだ日本人の手記。
雪深い越後・春日山城から、日光東照宮、奈良、高耶の故郷・松本・仙台、京都、米沢の上杉祭りまで『炎の蜃気楼』の舞台を求めて西へ東へ。雑誌『COBALT』の好評連載エッセイに書き下ろし米沢編を加えたトラベル・エッセイ・コレクション。
20数年前、気鋭の詩人・劇作家が受験雑誌「高3コース」を舞台に〈ジ・アザー・ハイスクール〉を開講し、高校生との激論を交わしていた。この本は寺山修司から、いま高校生のきみと連載当時高校生だったあなたへの、エキサイティングな贈りものである。
不沈の潜水艦長として謳われた海の王者ー赤貧洗うがごとき家庭に生まれ、画家になるのを夢見た少年時代、躍動する連合艦隊の黒鉄の美しさに魅せられて海兵にはいり、“どん亀”とさげすまれていた潜水艦乗りをめざし、己れの信ずるところにしたがって生きた指揮官の青春の奔流を綴る感動のノンフィクション。
太平洋戦争において“無敵”の名をほしいままにした日本海軍の名戦闘機・零戦-。敵をして「ゼロとはぜったいに一対一の戦闘をするな」とまでいわせた名機の秘密は、数グラムの無駄まで省いた極限の軽量設計による高性能と、「パイロットの気持ちにぴたりと応える」(故源田実氏)類いまれな操縦性の両立にあった。零戦の主任設計者が、当時の資料をもとに執筆した本書は、零戦誕生までの開発秘話と、その栄光と悲劇の原因を明らかにする。それは、今日に続く「日本の技術」の一つの頂点を記した貴重な技術史の記録である。
映画「うみ・そら・さんごのいいつたえ」の製作・興行全記録。サンゴの美しい石垣島白保の真夏。情熱のクランクインから始まる悶絶の撮影の日々。そして静かにのたうち回るフィルム編集を経て完成。初めての上映会。やがてコンバット・ツアーと命名した全国巡業のフィルムかつぎ旅。とうとうやった、銀座凱旋ロードショー。映画を愛する男たちのときめきと感動と発見の一年。完全ドキュメント。
ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃっ!!ヘンテコなくつ、発見!!あなたにぴったりのみどり色のヘンテコなくつが、どこかにあるかもしれませんよ。古い小さなくつ屋さんをのぞいてごらん。
グレートジャーニーとは、五百万年まえに東アフリカで誕生した人類が、アジア、北アメリカを経由して南アメリカの南端にたどりつくまでの五万キロの旅のことです。一九九三年十二月、関野吉晴さんはこの人類の旅を、徒歩、カヤック、自転車という、自分の足と腕の力だけでたどりはじめました。今回は、インカ帝国の古都クスコを出発しアンデス山脈を自転車で縦断、ベネズエラの秘境「失われた世界」ギアナ高地を探検し、オリノコ川源流にくらすヤノマミ族の村、コロンビアのマカレナにある森のサルの研究センターなどを訪ねた、グレートジャーニー二年目の旅を報告します。