嫡男の長福丸が毒を飼われたことに激怒した八代将軍吉宗は、背後で糸を引いた天英院に対し苛烈な処断に臨む。御広敷用人の水城聡四郎は、吉宗の指示で大奥の刷新を始めるが、その仕打ちに天英院が暴挙に出る。はたして吉宗と竹姫の恋の行方は、そして、聡四郎に課せられた「最後の大仕事」とはいったいー。感動に震える、超人気シリーズ最終巻の第十二弾。
水野備後守元綱は、出世の入り口である奏者番に取り立てられた。一度は失態を犯すも松平伊豆守に助けられ、以後、伊豆守に服従するようになる。四代家綱の治世となった折も折、由井正雪の乱が起こる。乱を機に旗本に取り立てられた者たちの奏者番を担当することになった備後守は、裏にある驚くべき陰謀に巻き込まれていく。
恋人と別れ、明良と二人で生きていくー。祟り巫女の呪詛返しに成功し、弟の手を選択した清芽。けれど、一見日常を取り戻しても、凱斗への想いは断ち切れない。やっと兄さんを独占できたのに、少しも満たされないのはなぜ…?焦燥と渇望が、明良の心を蝕み始めるー。同じ頃、芸能界引退を考えていた櫛笥の前に、調伏したはずの辰巳町の怨霊が出現!!最後の仕事で再訪することになり!?
ぼろぼろの肉体と“力”の暴走ー景虎は不安を抱えながらも、織田がらみの疑獄事件を調べる記者・滝田らの協力もあり、徹底抗戦を貫いていた。一方、景虎に「美奈子を守れ」と命じられた直江は、彼女とともに息が詰まるばかりの逃避行を続け、ようやく阿蘇へ落ち着いた。束の間の平穏だが、自由も安らぎもなく、直江は不毛な自問自答をくり返す。そんな中、意外な相手が美奈子を狙うー。
今必要な競争政策とは。ネット取引が発達し、グローバル化が広がるなか、消費者利益を高め、イノベーションを進めるためには何ができるか。最新の事例を交えて考える。法学部生、実務家にもわかりやすい「経済学用語解説」付き。
詩人であることの幸福と不幸。近代日本を代表する詩人の、自らへの自負と揶揄、表現者としての存在の不安がみなぎる作品の数々は、どこからきたのか。宿命のように降りてきたのは、雪か、歌か。その歌はどこへ消えていくのか。新発見資料から読み解く、立体的な、まったく新しい中原中也像の誕生。
新興経済国「NEXT11」の一つに数えられ、経済発展と人口増加が進むバングラデシュの首都ダッカ。発展の影で深刻になっていたのがゴミ問題だった。開発途上国におけるゴミ問題には、社会、宗教、人々の習慣が色濃く反映される。収集車両や処理施設が整備されただけでは解決しない。都市によって異なる状況をひも解いて、行政と住民と民間の役割と意識と行動を変えていく、社会全体の変革を求める包括的アプローチが解決のカギを握る。この難問に真正面から向き合い、試行錯誤しながらも、クリーンダッカの実現に取り組んだ日本の専門家たちがいた。
スラスラ読める会話形式。目で見てわかるスッキリ図解。適切な記録が効率よく書ける!便利なリファレンス付。
子どもの育ちを可視化する。ニュージーランドのラーニング・ストーリーをもとにした新しい保育実践。
食品ごとに特徴的な栄養素をピックアップ。
北山修が英国で精神分析と出会った折に診た二人の患者の治療記録。母国語と外国語のはざまで蠢き始めた分析的思考の原点。解説、症例論文、英国における精神分析的精神療法の紹介論文を付す。
末期癌の夫は手術によって一命をとりとめたが、半年後に転移がみつかる。繰り返される入退院のなかで育っていく子どもたちと、ときおり届く絶縁した実家からの手紙。そしてある日、わたしは夫との間に、決定的な“すれ違い”があることに気がついたのだ…。生きることの痛みと歓び、その先に拡がる自由を鮮やかに描く「生」の記録。
生命の進化、その神秘を探究する旅へー歴史を変えた「ダーウィンの進化論」とは何だったのか?200枚以上の美しい写真とともに生物学の根幹を学ぶ。
「マルクスを読むように漱石を読んできた」と自ら語るように、漱石はつねに柄谷行人の思考の原点であり続けてきた。群像新人文学賞を受賞した代表作「意識と自然」(一九六九年)から九〇年代に至るまでの柄谷の漱石に関する評論、講演録、エッセイ等を集め、その思考の軌跡をたどる。岩波市民セミナーでの講演をもとにした「漱石の作品世界」を加え、旧版から代表的な論文を精選。同時代の日本やヨーロッパの哲学・文学とも比較対照しながら多面的な切り口でせまる、漱石論の決定版。