株式売買の技術を上達させることは、決心さえすれば誰でもできます。著者が30年間も売買を続け、苦しんで苦しんで得た貴重な結論を余さず公開。
永井荷風(1879-1959)は38歳から79歳の死の直前まで42年間にわたって日記を書きつづけた。断腸亭とは荷風の別号、日乗とは日記のこと。岩波版全集で約3000ページにのぼるその全文からエッセンスを抄出し読みやすい形で提供する。この壮絶な個人主義者はいかに生き、いかに時代を見つづけたか。
読む者を捕えてはなさぬ荷風日記の魅力を「あとを引く」面白さとでもいおうか。そういう日記の、ではどのあたりが最も精彩に富むかといえば、その一つとして戦中の記事をあげねばなるまい。なかでも昭和20年3月10日の東京大空襲にはじまる5ヵ月間の罹災記事は圧巻である。昭和12〜34年を収録。
日記・記録は古文書と共に、日本史学の研究にとり極めて重要である。本書は難解な日記について、その特質や研究上の問題点などを平易に解説、古代から近世に及ぶ日記の概要を簡潔に説く。また、各時代の記録の箇条を例に引いて読下し文を掲げ、特殊な用語等には注解を付した。古記録学を提唱した著者にして初めて可能な好著。
夜な夜な出没するという火の玉『ホイホイ火』を調査するために、奈良入りした高耶と千秋。火の玉に殺された塩原の家に向かった高耶たちは、そこで妖怪にとりつかれた少女・なぎと出会った。なぎに寄生しているのは、戦国時代の茶釜の妖怪・平蜘蛛だった。なぎを救うために、妖怪を操る『信貴山の龍神』の正体を探ろうとする高耶たち。だが、宿敵・織田軍も、なぎを狙って動きだしていた…。
浅見光彦の母・雪江が四国霊場巡りの途中で、交通事故に遭い、記憶を喪失した。東京に連れ戻された雪江はやがて記憶を取り戻したが、事故の加害者・久保彩奈が瀬戸大橋で自殺。浅見は母に命じられたまま香川県高松へ向かった。彩奈の不可解な死に疑問を抱いた浅見は独自の調査を開始する。そして、事件の重要な手掛かりを掴んだとき、彩奈の兄が「ウラシマ・タロウノ・ホコ…」とダイイング・メッセージを遺して殺された。讃岐路に浅見光彦の推理が冴える旅情ミステリー。
いく度か圧潰を覚悟しつつも、そのつどに奇蹟の浮上をとげ、死なざること不死鳥のごとく破竹の快進撃をつづけ、苦境の中にあっても冷静沈着、ユーモアたっぷりに敵をあざむき、ゆうゆう活路を開いて脱出する青年士官ー戦場においては果敢に作戦任務を遂行、ついに不沈の潜水艦長となった海の王者“キャプテンイタクラ”が描いた海底戦記の決定版。
日本海軍が世界にほこる最高峰の飛行艇「二式大艇」-大戦末期、戦勢挽回の切り札として輿望を担った名戦闘機「紫電改」を生むにいたる“川西航空機”の若き技術者たちが、頭脳と熱意と努力を傾注して挑戦する不屈の開発物語。戦火の空に展開された搭乗員たちの死闘とともに活写する感動のノンフィクション。
萩城の事件から、2度目の冬が訪れた。19歳になった高耶は、直江の『死』を記憶から消し去り、小太郎を直江だと思いこんだまま、怨霊調伏に奔走していた。一方、度重なる心霊事件の真相を究明するため、国家公安委員会・特務調査部が動きだし、重要参考人として高耶の調査を進めていた。不審な事件が続発する江の島に向かった高耶は、妙に懐かしさを感じさせる開崎という男に出会うが…。
ペンをなげうって戦陣に散った幾多の学生たち。残されたご遺書などをもとに関連写真140点を付し、時代の肉声を後世に伝える。「学徒出陣」血涙のドキュメント。
熊本に異常な霊的磁場が発生し、それを察知した上杉の白衣女が、何者かに討たれた。磁場の中心と見られる古城高校に高耶は生徒、千秋は非常勤講師として潜入する。古城高校は、生徒会長・御〓樹離が生徒を絶対服従させる異常な高校だった。転校一日目から生徒会とトラブルを起こした高耶は、事件に《闇戦国》の換生者が関わっていることを知る。そして、再び開崎が高耶の前に姿を現した。
本書は、初心者向けに書かれた形式論理学書で、命題論理から、ゲーデルの不完全性定理やチャーチ=チューリングの定理等までを取り扱っている。本書の特徴は、真理の木の方法(タブローの方法)と呼ばれる、おどろくほどわかりやすい考え方に基づいており、この方法により、ほとんど寄り道せずに今世紀に展開した論理学の基礎を把握することができる。日本語版では、解答をさらにていねいに説明するなど、独習者にたいしても配慮している。また題材として名探偵ホームズとモリアーティの戦いや、日常会話の落し穴を取り上げており、たいへんウィットに富んだ内容になっている。