第一次世界大戦直後(1918〜19=大正7〜8年)のベルリンへ下心をもってやって来た日本人旅行者が赤い帽子のドイツ娘と出会い、一回の食事代にもならないほどの代価で、森の中で立ちまんにおよぶ。だが、満たされない思いの旅行者の男は、二日後、赤い帽子の女をホテルへ誘い、羽化登仙の悦楽に耽る。濃密な愛欲絵巻を官能美豊かに描いた名編ほか五編。
第二次大戦ドイツ占領下のプラハ。級友や親類が次々とナチスに連行される中、ジュール・ヴェルヌを愛し、絵や小説を書くのが大好きで、作家や編集者、あるいは研究者になることを夢見ていた14歳のペトル少年が、手作りのノート二冊に記した歴史の証言。
終戦間際まで和平工作の道を探り続けた軍人、今井武夫(1898-1982、長野県生まれ。最終階級少将。栗林中将の同郷後輩)が遺した膨大な史料群(国立国会図書館憲政資料室寄託予定)から約400点もの写真資料を使用し、工作・戦争の経過をたどり、日中戦争泥沼化の核心を衝く。軍人今井武夫のリアルで貴重な記録を一挙公開!
福士成豊の『北海道巡視御用留』、田本研造の開拓記録写真などから独自の視点で迫る北海道近代化のはじまり。
冷戦の終焉、「55年体制」の解体、そして「3・11」。軋む日本はジャーナリストの目にどう映ったのか。大変貌と向き合った新聞記者の40年。
江戸時代に異彩を放つ独創的思想家安藤昌益。支配者が農民から農作物を収奪し、飢餓や争乱に満ちた階級社会“法世”を批判し、農業従事を基礎とした平等な社会“自然世”への回帰を促し、マルクスにも先駆けた「社会主義者」と評された異色の医師・思想家ー安藤昌益。彼の「自然」を基軸としたきわめて先駆的思索は、今日しばしば謳われるエコロジー思想、動物愛護思想、平和主義思想などにも連なり、現代社会を生きる私たちにとってもなお重要な示唆に富んでいる。昌益の著作および貴重な史資料を深く追究し、別の昌益像を示すことで、学際的に拡がる昌益思想の今日的意義を描いた一冊。
可換環論はそれ自身美しく深い理論であると共に、代数幾何学や複素解析幾何学に大切な基礎となるものでもある。本書は可換環論の本格的な、self-containedな教科書として書かれた。代数幾何学への応用にも意を用いている。
阿蘇での一件以後、譲は、武田の手に落ちていた。譲の持つ弥勒菩薩の力を得て、信玄は『闇戦国』制覇に動きはじめるのだった。また、綾子は織田に捕らえられ、人質としての日々を送っていた。織田の同志として綾子の前に現れた見知らぬ男は、意外にも…。一方、直江に別れを告げた高耶は、ひとり四国の山中に潜んでいた。そこで出会った記憶喪失の潮に高耶は不審な気配を感じるが…。
広範囲の法令に及ぶ労働紛争上の論点を、現在の問題を中心に体系的に整理。判例の見解を簡潔に解説した実務家必携書。
初めて明かされる重対戦車部隊の全貌。膨大な写真と戦闘日誌で甦るフェアディナントそしてヤークトパンターで戦った軍団直轄大隊のすべて。
ある日突然異世界召喚された青年カズトは、勇者ライムや女王セリカなど仲間達と共に、王国東部の反乱を潰すことに成功する。元第二王子一派が黒幕という情報を掴んだカズト達は、彼らとの戦に備えて、隣国エツリアへ同盟交渉に赴くことになった。道中でアースドラゴンを従えた一行は、トラブルに巻き込まれながらも同盟を無事に締結させる。さらにその後、偶然出会った元日本人の転生者や転移者を仲間に加えるのだった。そうして戦力を充実させる彼らのもとに、元第二王子が進軍を開始したとの急報がもたらされた。民を虐げ国を乱す外道との最後の戦いが、ついに始まるー勇者と女王を護る最強騎士様の異世界世直し行脚、堂々完結!