連合軍の熾烈な総反攻により本土からの補給路を断たれ、孤立を余儀なくされたニューギニアの日本軍。敵の執拗な攻撃や飢え、荒れ狂う魔のヤカチ河と戦い、悪疫の地を彷徨しなければならなかった兵士たちの心情を吐露する痛恨の手記!シンガポールからニューギニア戦まで、一陸軍将校が描いた過酷なる戦争体験。
9世紀末から10世紀にかけて、律令時代とは異なる情報環境下におかれるに至った平安王朝の天皇・貴族らは、政務や儀式を執り行う上で必要な情報を収集・蓄積するために、日記を記し始めた。かかる「公事情報」の装置として、やがて「家」の日記、「日記の家」が生み出され、「家記のネットワーク」も形成される。藤原定家『明月記』にみる公事への関心と認識、説話作家たちによる日記の利用、日記や文書の移動と戦火からの避難に用いられた「文車」の考察なども含め、「情報史」の視点から、王朝日記の発生・変質・衰退の過程、その機能と意義を追究する。
「若年性レビー小体型認知症」本人による、世界初となる自己観察と思索の記録。認知症、脳の病気とは一体何なのかを根本から問い、人間とは何か、生きるとはどういうことかを考えさせる。周りに理解されないための孤独と絶望の中にありながら、幻覚(幻視、幻聴など)、嗅覚障害、自律神経症状など自分に起きたことを日記形式で淡々と観察し、卓越した文章力で表現した希望の書。
今年のギネス世界記録は水!海!地球!世界中から集めた最上級の記録の数々を型破りなビジュアルで紹介。ギネス世界記録6年代連続アルバム1位獲得!松任谷由実インタビュー。
愛と感動の人間ドラマ!「七色の声」で人気を博し、多彩な活躍を続ける女優の半生記。
日本美術史は、仏教との関係を看過して語りえない。漢訳仏典を淵源とする図像が絵巻や掛幅に広く用いられ、時に、世俗の文学や伝承とも結びついて多義的な意味と霊性を獲得した。因果応報観に基づく絵巻、六道輪廻と救済を説く六道絵、朽ちてゆく死体を描く九相図など、中世日本における闇の表象を取り上げ、各々の図像成立と受容の歴史に迫る。
戦争被害と加害の実態。1945年、首都の陥落前後、ある女性ジャーナリストが身近な惨状を冷徹な眼差しで捉え、綴っていた。生と死、空襲と飢餓、略奪と陵辱…。身を護るため赤軍の「愛人」となった女性の行方は?女性の目、市民の目から描く、類を見ない戦争日記。
一人の人間にできることは限られている。でも、チームを作れば“巨人”にもなれる。チーム作りとは希望を作ることでもあるのだ。「日本最大級の支援プロジェクト」を運営した著者が、独自のメタ理論「構造構成主義」をベースに説く、チームのための新しい組織論。チーム作り、リーダーシップ論、戦略の立て方、モチベーションを引き出す極意、トラブル解消法など、チームの力を最大限に伸ばす原理と方法を明らかにする。
「アクアノートの休日」の海にたゆたう、切ない物語ポリネシアの海、環礁キシラ。この海域で、ひとりの海洋学者が消息を絶った。
彼が残した“記録”は、この環礁の“大きな謎”とも関わりがあるという。
主人公は、彼の足跡を辿り、この海、そして生息する生物達の中に手がかりを見つけながら、謎を解き明かしていく。
日本の古典文学、昔話・昔語り・お伽噺・現代文学・エッセイ・映画などのあらゆる表現作品から、老人排除を扱った作品を抽出し、その歴史的背景や実際の老人の生活がどのようなものであったかを考察することで、日本における過去と現在まで連なる「高齢者問題」とは何かを追求した労作。
米同時多発テロ以降、テロ容疑者収容所として、少なくとも約七八〇名にのぼる人々が罪状不明のまま米国政府により収監された、キューバのグアンタナモ収容所。一四年間にわたり拷問と虐待の日々を過ごした著者が、獄中から世界へと発信し、悪夢のような国家犯罪の実態を明らかにした手記。世界が震撼した衝撃の書。
陸上輸送路の確保とB29航空基地を覆滅すべく、華北から漢口、長沙、桂林、南寧、仏印、バンコク、マレー半島と、果てしなき山野に苦闘した兵隊たちの行軍の日々!命ぜられるままに、転戦につぐ転戦をかさねた名もなき兵士たちは、いかにして苦難に耐え、任務を全うしたのか。歩け歩けの日中戦争を描く感動作。