世界的博物図譜収集家として知られる著者が、17〜20世紀に描かれた花の図譜の名品を選び抜き、植物に関する伝承や信仰、発見・栽培史を辿る解説を付した、他に類を見ない画期的な「花の図鑑」。子供から大人へ、植物愛好家から美術研究家へ、幅広い読者に贈る美しいプレゼント。
川端龍子と横山操、正岡子規と高浜虚子、水原秋桜子と…師弟の出会い、愛憎、別離のなかに“師に付く”意味を探る。
賭事好きの父親と意地悪な継母のもとでつらい日々を送るジェミーは突然、両親から結婚するよう言い渡された。そしてその婚約者が訪ねてきたとき、彼女は目を覆いたくなった。まさか、こんな貧相で好色そうな老人がわたしの夫になるの?この人に嫁ぐくらいなら死んだほうがましだわ!ジェミーは少年になりすまして家出を決行し、運良く、ある館の庭師として潜り込むことができた。だが館の主人に男装していることを見破られてしまい…。
小さなベランダも屋上や中庭も、パリ流のセンスで居心地のいい楽園になる。
世界中で読み継がれる『星の王子さま』の原点がここにある。いつまでも子どもの心を持ち続けた作家、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの幼少期が、実姉シモーヌの巧みな筆致と豊富な写真によって生き生きと描かれる。
明治維新後、三遊亭圓朝は政府に要人に近づき、時代に相応しい文化人を目指す。だがそれは一方で落語の伝統を否定し、藝人としての己の居所場を失わしめる行為だった。日本の大転換期に翻弄されつつも、したたかに生き抜いた名人の栄光と屈折を描く本格評伝。
昔ひとりの女童がいて、その容貌は糸杉の木と水鳥の羽毛を照らす新月のようであった。彼女は魔物と呼ばれ、おそれられ、スルタンの宮殿を取り巻く庭園で野生の鳥のように暮らしていた。そこに訪ねてきたのはスルタンの息子。女童は自らの瞼に精霊によって記された物語を彼に語って聞かせる。つぎつぎと紡ぎ出され織り上げられてゆく、物語の数々。合わせ鏡に映しだされる精緻な細密画のような、果てしない入れ子細工の世界。比類なき迷宮体験。現代のシェエラザードが語る稀代の書。ミソピーイク賞受賞作。
「君が代」でも詠われているとおり、コケは日本人にとってなじみ深い植物の代表格であり、苔庭や園芸など生活から趣味の世界にまで幅広く利用してきた。しかし、コケそのものの種類や生態となると、正直、知らない方のほうが圧倒的に多いだろう。本書では、コケの基礎知識から見分け方、そしてコケとのじょうずなつきあい方までを、豊富な写真とともに解説していく。