祖父と愛犬を続けて亡くし、ショックで学校を休んでいる中学生の樹。入るのを禁じられている土蔵の扉が開いているのに気付き足を踏み入れると、中には祖父の鉱物コレクションがあり、そして不思議な雰囲気の少年がいた。雫と名乗る彼と打ち解け、少し元気になった樹は、祖父の遺した鉱物の魅力に惹かれるようになり…。少年の繊細な心に鉱物の美しさを重ね合わせた、ファンタジックな物語。
1933年。東京・白金に、ある家族のための洋館が誕生しましたー朝香宮鳩彦王・允子夫妻がフランスから取り寄せたのは、アール・デコの粋。それから80年以上の時を超え、生まれ変わった庭園美術館は新しい物語を紡ぎます。作家、漫画家、音楽家の6名による、旧朝香宮邸をめぐるアンソロジー。
資産家の人知れぬ“楽しみ”が、取り返しのつかない悲劇へとつながる表題作。日本中に大パニックを起こそうとする“怪物”『ジャバウォッキー』。完璧に偽造された遺書の、アッと驚く唯一の瑕疵を見事に描いた『完璧な遺書』-。おなじみ有栖川・火村の絶妙コンビが魅せる全部アタリの絶品ミステリ全6編を収録。
400年の歴史を持つ浄土真宗妙見派の京都・龍遠寺。天空の星を写しとるとされる謎の庭園は、さまざまな解釈がなされている。この庭で、庭師が首を切られ死ぬ。4年前には同じ庭で、その息子が殺害されていた。そして、龍遠寺が借景とする山のお堂に放置された手首のない死体…。星座と風水思想を読み解いて、事件は解決の扉を開いていくが…。島田荘司、鮎川哲也、二階堂黎人、有栖川有栖、法月綸太郎氏より絶賛されてきた、今、最も注目される新鋭が放つ本格長編ミステリ。
高級フレンチから学食まで。明治・大正・昭和の時代から今なお生き続け愛されている、東京の近代建築たち。食事と喫茶を愉しみながら、撮り、書き下ろした、建築鑑賞紀行。
イタリア・ルネサンス庭園で花開いたヨーロッパの庭園文化は、以降、絶対王政期のフランスで幾何学式庭園、一八世紀のイギリスで風景式庭園を生み出した。それぞれの庭園様式は文化や社会を色濃く反映しており、知れば知るほどに奥が深い。庭園作りに情熱を捧げた者たちの逸話をまじえながら、庭園文化の歴史をたどる。各地の名庭を写真・庭園図とともに数多く取り上げ、その魅力と見どころを紹介。
あなたの「工作魂」に火をつけるー森博嗣の工作エッセイ、出発進行。
建築は魅力的な謎に満ちている。日本国内の各地にある興味深い建築、それも主として明治以降、第二次大戦前に建てられた、いわゆる近代建築を訪ねたルポルタージュ。
数学は、生命の神秘を解明するために、どのように使われてきたか?イアン・スチュアートが最新の研究成果を通して明らかにする21世紀数学の最前線。
二度の結婚に失敗した没落貴族の娘アイナは、今度は「トカゲの王子様」と噂される第二王子のもとへ嫁ぐことに決めた。覚悟を決めて辺境の地へ赴くアイナだったが、妻としてではなく、なんと客人として迎えられてしまう。最初は最惑ったけれど、第二王子エドウィンをはじめ、腹黒執事や怪しげな薬屋のおばばなど、少し変わったメンツに囲まれて、新しい生活を楽しみ始めるアイナ。だが、エドウィンの兄が国王に即位したことで、二人の運命は大きく動き出すことになるー没落貴族の娘とトカゲの半身を持つ王子が織り成す感動の恋愛ファンタジー。
ロンドンのホテルで、男の死体が見つかった。睡眠薬自殺と思われたが、美しい未亡人はそれを否定。遺体は高名な造園家で、いまは地方で装飾庭園を手がけているはずだった。それがなぜロンドンに?調査をはじめた未亡人の前に次々現われる奇妙な関係者たち。見えてくる夫の知られざる顔。混迷していく真相探し…そして、全員を一堂に会して驚愕の謎解きが行なわれるとき、思いもよらぬ世界が現前する!英国文学の旗手ジェフ・ニコルスンが巧緻の限りを尽くす、伝説のメタ・ミステリー登場。
石の組み方、庭木の植え方、ホーキ目のつけ方、水のあるなし…等々「日本庭園」を見る時、それぞれの意味がわかるようになる本。
「ムーミン」「クマのプーさん」「家なき子」「ゲド戦記」ほかロングセラーの建築的フレームと細部を浮き彫りにー大人のためのファンタジー・児童文学案内。
宰相がそこで日本の進路を決断した邸宅、文豪が選んだ終の栖、名優が自ら設計した部屋、学者が静かな思索にふけった空間、経済人が日々の「私」を託した住まい。人それぞれの温もりを伝える家。
和風建築の魅力を解き明かす。優れた伝統の意匠を現代に甦らせた好例を網羅。写真と解説による理解しやすい部位別の構成。