二度の結婚に失敗した没落貴族の娘アイナは、今度は「トカゲの王子様」と噂される第二王子のもとへ嫁ぐことに決めた。覚悟を決めて辺境の地へ赴くアイナだったが、妻としてではなく、なんと客人として迎えられてしまう。最初は最惑ったけれど、第二王子エドウィンをはじめ、腹黒執事や怪しげな薬屋のおばばなど、少し変わったメンツに囲まれて、新しい生活を楽しみ始めるアイナ。だが、エドウィンの兄が国王に即位したことで、二人の運命は大きく動き出すことになるー没落貴族の娘とトカゲの半身を持つ王子が織り成す感動の恋愛ファンタジー。
「ナショナルなものとは、現在および各時代ごとの共通分母の横糸と、全歴史を貫く縦糸とが、織りなすものをいうのではなかろうか。そしてその中に存在するメカニズムを分析することによって、初めて国民的な広がりをとらえることも可能となろう。」-日本から世界に発信した唯一の建築ムーブメント「メタボリズム」の提唱者は、こんなにも「日本」と「伝統」について考え抜いていた。
いままで使われなかった屋根部分が、家庭の絆を築き子どもの情操教育の場に!-。
町人の街・大坂は、武家の街・江戸にくらべて緑地が少ない。それは「庭園不毛の地」であったことを意味するのだろうか?天下の台所と呼ばれた商業都市であり、また上方文化の中心地でもあった江戸期の大坂のくらしのなかに、庭園はどのように位置づけられるのか。大坂城・奉行所・蔵屋敷・寺社・豪商邸宅・新田会所・料理屋・遊郭などの庭園に光を当て、その実像に迫る。
明治維新後、三遊亭圓朝は政府に要人に近づき、時代に相応しい文化人を目指す。だがそれは一方で落語の伝統を否定し、藝人としての己の居所場を失わしめる行為だった。日本の大転換期に翻弄されつつも、したたかに生き抜いた名人の栄光と屈折を描く本格評伝。