鑑真の渡日も、最澄の入唐も、聖徳太子は中国の高僧慧思の生まれ変わりであるという「慧思後身説」が最大の動機であった。日本と中国の文化交流史の第一人者が、中国の文献をも発掘・駆使し、生き生きとした森のごとき虚像の驚くべき影響力を解明する。
冬から冬へ。めぐる季節に出会ったもの、見たもの、失うもの。どこか滑稽で哀しい夢のような日々、人々の孤独の風景を、鮮やかな文体で描いた会心のデビュー作。
「本当にいい話なんですね」二の足踏んで三歩前進した男たちの戦い、苦悩、そして笑い。当事者たちの本音に迫ったドキュメント。
近代世界システムは、早晩必ず崩壊する。代わるべきシステムは未だ見えない。今、為すべきことは何か?共鳴しつつ激しく応酬する二人の社会科学者。新しい思想の胎動と陣痛。
本書では、人間性の進化を実現することを目的に、理性を中核とした近代の人間観を批判し、感性を人間の本質と考える感性論哲学の新しい人間観を提示した。
本書は、長年多くの子どもたちの心理治療に携わってきた著者が、その経験を生かし、小児心身症を子ども特有の世界から臨床的にわかりやすく解説したものである。
シラケ、指示待ち世代、安定指向、マユ族…。若者を揶揄する言葉は多い。しかし、彼らは白けていなかった。指示も待たなかった。安定指向でも、マユ族でもなかった。92年夏、「東京工学院」の学生たちはひとつの講演会を成功させた。炎天下の52日間で、彼らを何を見つけたか。
小児麻痺、極貧という悲運を克服。命いっぱいに生きようとする若き事業家の経営語録。