台湾・高雄の高級マンションに住む13歳の文学好きな美少女・房思〓(ファンスーチー)は下の階に住む憧れの50代の国語教師に作文を見せに行き強姦され、その関係から抜け出せなくなる…世界の裏側を見てしまった少女のもう一つの愛の物語。台湾社会を震撼させた、実話に基づく傑作長篇。
何かがおかしい。「嫌な感じ」がどうにも消えない。カリスマが現れても新政府ができても高邁な理想を掲げられても、絶望的いらだちが治まらないのは、なぜなのか?橋下現象、政権交代、国境騒乱等混沌の真因はどこにあるのか?維新、大戦、高度成長期等の転機から自由、平等、民主、経済成長、ヒューマニズムの追求こそが幸福であるという、この国が負わされた近代主義を徹底的に懐疑する。稀代の思想家からの鋭い一撃。
人間的魅力を養う。自らを鍛え、心を磨き、命を燃やすいまこそ、人間らしい生き方を学ぶ。
社会を支えていたはずの政治・経済・教育・家庭といった基盤が、崩壊の危機に瀕している現代日本。アメリカが強く掲げ、戦後日本が導入した「デモクラシー」とは、壮大なるフィクションだったのであろうか。敗戦から半世紀、わたしたちは「戦後民主主義」の名のもとに、「自由」「平等」という言葉の内に潜む危うさを意識的に回避してきたのではなかったのか。社会に「共有の価値」が失われたとき、「自由なる個人」は、一体どこへ行くのか。経済思想、社会思想の研究から現代文明批判、社会批判へと展開を広げる著者が、現代日本の病理を描き、戦後民主主義五十年の大いなる錯誤を突く。
甲骨文字を読める人が少ないのは、甲骨文字に対する印象以外にも原因がある。それは、日本語で書かれた入門書が存在しないことである。甲骨文字を文字の単位で解説した書籍はそれなりにあるものの、文法にまで筆をのばして実際に文章を読めるように解説したものは見当たらない。そのためだろうか、中国史や中国文学を専攻する大学生が甲骨文字の研究を始めても、早々に挫折するケースが目立つ。著者は甲骨文字の研究に携わる者として、こうした現状を前々から不満に思っていた。それが動機となって執筆したのが本書である。そういうわけで、本書は、一般読者にむけた甲骨文字の解説書であると同時に、本邦初の甲骨文字研究の入門書としても機能するような構成になっている。
現在われわれが日常的に使っている文字「漢字」は、その源流を古代中国の「甲骨文字」に持つ。その字形や意味は、驚くべきことに現代日本の漢字とつながっており、その原初の姿を尋ねることで、自分たちの文字により豊かに接することができるのだ。本書では、甲骨文字にも多く原形が見られ、日本語の基礎ともなっている教育漢字三百余字を収録。漢字文化を愛する人の必携書。
アメリカの金融破錠は、自由と民主主義の名の下に個人の飽くなき欲望を肯定し、グローバル化を強引に主導してきたアメリカ的価値の破錠でもあった。それに追随し、経済だけでなく政治、人心のあらゆる局面で崩壊の危機に瀕する日本。もはやアメリカとの決別なくして再生はありえない。今こそ、「私」ではなく「義」を、「覇権」ではなく「和」を是とする日本的価値を、精神の核に据え直すときなのだ。今日の危機に早くから警告を発してきた思想家があらためて問う「保守」という生き方。
ルネサンス期の医師・錬金術「哲学者」パラケルススは精神医学的医療の先駆者でもあった。ここに「無意識の心理学」の萌芽があるとみたユングが情熱を尽くして語る。
9・11の同時多発テロは世界の仕組みを大きく変えた。アメリカの単独行動主義の結果、国際規範は権威を失い、国際法秩序は崩壊の危機に瀕している。そしてアメリカ国内でも、対テロ戦争の「戦時下」にあるとの理由で、憲法に保障された自由は制限され、国民への監視は強められつつある。「文明」の内部に生息する「野蛮」は世界の秩序をどう変えようとしているのだろうか。アメリカニズムの来歴と新たな現象を分析し、その未来を占う。
「日中戦争は日本の侵略戦争だった」-この言説の呪縛から解き放たれるときがきた。戦争開始前後における知られざる「真実」を明らかにした画期的論考。
ラテン語の基本である単語の活用、変化がわかりやすい!文法を中心に、基礎からわかりやすく解説。語彙の習得にも最適!
同性愛者として生きることへの抑圧から逃れるため、台湾の故郷の村、永靖を離れ、ベルリンで暮らしていた作家の陳天宏は恋人を殺してしまう。刑期を終え、よるべのないドイツから、生まれ育った永靖に十数年ぶりに戻って来た。折しも中元節を迎えていた故郷では、死者の魂を迎える準備が進んでいた。天宏のいなくなった両親と結婚した姉たち、狂った姉、そして兄。生者と死者の語りで、家族が引き裂かれた理由と天宏が恋人を殺した理由、土地の秘密、過ぎ去りし時代の恐怖と無情が徐々に明らかになっていく。2020年、台湾文学賞金典年度大賞と金鼎賞文学図書賞を受賞。2022年秋、ニューヨーク・タイムズから「最も読みたい本」に選出された、最注目の台湾の若手作家が贈る慟哭の物語。
「なぜ人を殺してはいけないのか」「なぜ民主主義はうまくいかないのか」-現代の社会の抱えるさまざまな難問について、京大生に問いかけ、語り合う。若い学生たちの意外な本音から、戦後日本、さらには現代文明の混迷が浮かび上がってくる。旧来の思想ー戦後民主主義や功利主義、リベラリズム、リバタリアニズムでは解決しきれない問題をいかに考えるべきか。アポリアの深層にあるニヒリズムという病を見据え、それを乗り越えるべく、日本思想のもつ可能性を再考する。
「無添加」「自然派」なら安心・安全か?髪と地肌の仕組みは?成分表示をどう読むか?買う力、買わない力を身につけよう。