「死」。それは古今東西、あらゆる思想家、宗教家が向きあってきた大問題である。「死ぬ」とはどういうことなのか。「あの世」はあるのか。「自分」が死んだら、「世界」はどうなるのかー。先人たちは「死」をどう考えてきたのか、宗教は「死」をどう捉えているのかを踏まえながら、人間にとって最大の謎を、稀代の思想家が柔らかな筆致で徹底的に追究する。超高齢化社会で静かに死ぬための心構えを示す、唯一無二の論考。
格差拡大、雇用不安、デフレ、グローバリズムの停滞…。「構造改革」以降、実感なき好景気と乱高下する日本経済。過剰な貨幣発行がもたらす問題、「複雑な“経済現象”」と「理論重視の“経済学”」の乖離など、現代資本主義が直面する数々の困難を、徹底的に検証。アダム・スミスからリーマン・ショック、アベノミクスまで、経済学の限界と誤謬を提示する。
グローバリズムの矛盾が露呈し、新型コロナに襲われ、ついにはプーチンによる戦争が始まった。一体何が、この悪夢のような世界を生み出したのかー自由、人権、民主主義という「普遍的価値」を掲げた近代社会は、人間の無限の欲望を肯定する。欲望を原動力とする資本主義はグローバリズムとなり、国益をめぐる国家間の激しい競争に行き着いた。むき出しの「力」の前で、近代的価値はあまりに無力だ。隘路を脱するには、われわれの欲望のあり方を問い直すしかない。稀代の思想家による絶望と再生の現代文明論。
本書はイオンに焦点をしぼり、米山先生お得意の対話形式で読物風に仕上げられています。
人生の楽しみ方や生きがいが真剣に求められるいま、人々の「学習」熱はかつてなく高まっている。大人たちが再び学びの席に着く動機はさまざまだが、共通するのは、より自分らしく、より自由に生きたいという思いだ。本書ではカルチャーセンターを舞台に、学びを人生の糧とした人々を通じ、豊かな生き方を考える。
ルネサンス期の医師・錬金術「哲学者」パラケルススは精神医学的医療の先駆者でもあった。ここに「無意識の心理学」の萌芽があるとみたユングが情熱を尽くして語る。
明治42年、大韓帝国最後の皇帝純宗は自国民の中から36名を選抜し、日本の陸軍中央幼年学校に入学させた。その中の一人が、本書の主人公・洪思翊中将である。彼は陸軍士官学校、陸軍大学に進み、終戦時は比島派遣第14方面軍兵站監を務めていた。民族差別にもかかわらず「帝国陸軍中将」となり、敗色の濃いフィリピンで捕虜の管理・監督にあたり、それによって戦犯として告発されるまでを描く。
NHK-FM『青春アドベンチャー』ラジオ・ドラマからアニメ化された『〜守り人』シリーズ。その第1作のBGサウンド集第2弾にあたるこのCDには、川井憲次による劇中音楽とEDナンバー「愛しい人へ」を収録し、不思議な雰囲気の全29曲を聴かせる。
「日中戦争は日本の侵略戦争だった」-この言説の呪縛から解き放たれるときがきた。戦争開始前後における知られざる「真実」を明らかにした画期的論考。
真正保守主義が救い出す。
「お前たちは島から生きて出られない」-廃墟の島『矢郷島』でのロケ中、突如送られてきた動画メール。『5年後の未来』にいるという『ミイラ男』が、ロケ参加者9名が皆殺しにされると予言する。やがてその言葉通り、出演者、スタッフが次々と殺されていく。誰が殺しているのか。なぜ殺されるのか。一体この島で何が起きているのか。息つく暇もない展開、予想だにしない衝撃の結末!異色ホラーミステリー。
時間商人トキタは、とある都会の片隅で不老不死の時間を売っているー。トキタと契約すれば、顧客は「10年間限定の不老不死」を手にすることができる。トキタ自身も不老不死で、助手カナタとともに永らく時間商人を営み続けていた。そんなトキタに時間盗賊暗躍の一報が届く。人間の寿命を軽々と奪う、時間盗賊の次なる狙いはトキタの寿命だった!カナタの姉、ハルカの協力のもとで自衛につとめるトキタだが、均衡はあっさり破られる。カナタ誘拐という、最悪の形で。人質交換の条件を前にしたトキタの選択はー。
「脱原発」と「原発推進」の二項対立に意味はない。「現代文明の全般的危機」の中、膨大な虚無にとらわれる我々にとって、拠るべき思想の軸とは。3.11後の「核と原発」論。
西欧近代は、私たちに光をもたらしたのか?ホッブズ、ルソー、ウェーバーなど、近代を決定づけた西欧思想を問い直し、現代文明の本質と危うさに真っ向から迫る。自由、平等、民主主義、市場経済…西欧近代が築き上げてきた輝かしい「文明」は、しかし同時に空虚なニヒリズムを生み出した。信ずべき確かな価値を見失った人類は、これからどこへ向かうのか。
己を人生の客となし、背後に時間はたゆたう。怜悧な思索と生の官能とが反響しあう二十篇の随想。