本書は、長年多くの子どもたちの心理治療に携わってきた著者が、その経験を生かし、小児心身症を子ども特有の世界から臨床的にわかりやすく解説したものである。
本書では、人間性の進化を実現することを目的に、理性を中核とした近代の人間観を批判し、感性を人間の本質と考える感性論哲学の新しい人間観を提示した。
「本当にいい話なんですね」二の足踏んで三歩前進した男たちの戦い、苦悩、そして笑い。当事者たちの本音に迫ったドキュメント。
冬から冬へ。めぐる季節に出会ったもの、見たもの、失うもの。どこか滑稽で哀しい夢のような日々、人々の孤独の風景を、鮮やかな文体で描いた会心のデビュー作。
鑑真の渡日も、最澄の入唐も、聖徳太子は中国の高僧慧思の生まれ変わりであるという「慧思後身説」が最大の動機であった。日本と中国の文化交流史の第一人者が、中国の文献をも発掘・駆使し、生き生きとした森のごとき虚像の驚くべき影響力を解明する。
一般に言葉とは、思考を表現するものといわれている。しかし、本当に心の中にあるすべてのことを言葉にできるのだろうか。自然の美しさ、恋の思い…言語に絶するこれらを表現するために古来より用いられてきたのが「言葉のあや」=レトリックである。『古今集』などの和歌から現代のコマーシャル・コピーにいたるまで、日本人の言葉の秘密をさぐり、さまざまなレトリックの可能性を論考する。