『私と一緒に死んでくれる?』雨の降る夜、22歳の介護福祉士カオリが受信したメール。それは、高校時代のメル友ナオからのものだった。カオリはナオのもとへ駆けつけるが、彼女はすでに首筋を切り自殺している。数日後、ナオの葬式で再会したメル友たちは皆同じメールを受け取っていた。それも、彼女が死亡した時間よりも後に。やがて一人また一人とまるで死霊に呼ばれるかのように殺されてゆく。そして、カオリの携帯電話は再びメールを受信した…鬼才・椙本孝思による戦慄のホラーミステリー。
「日中戦争は日本の侵略戦争だった」-この言説の呪縛から解き放たれるときがきた。戦争開始前後における知られざる「真実」を明らかにした画期的論考。
華麗で荘厳な皇帝建築、人智を尽くしてつくられた宗教建築、風土と民族の誇りを映し出した民居のほか、装飾、風水、色彩など、20の中国建築文化を彩るテーマ。豊富なビジュアルと案内マップ付。
戊戌の変の指導者のひとり梁啓超の長男として日本で生まれた梁思成は、1950年代、元・明・清と引き継がれてきた古都北京を保存する都市計画プランを提出した。しかしそのプランは採用されず、再び脚光を浴びることになったのは、北京五輪を控えて、北京の再開発をめぐる論争が繰り広げられた時期である。戦時下、米軍に対し京都と奈良を保護するように提案したという梁思成の逸話にも触れながら、著者は、現代における文化財保護、都市計画のありようを問いかける。
あなたの思い出、買います、預かります。思い出を質草にする「思出館忘七草」盲目の若き店主・亜星と下宿人・聖也のもとを訪れる多くの客たち…返却期限は厳守。そして同じものは二度と、貸さないー。第22回新風舎出版賞フィクション部門奨励賞受賞作。
義経は軍略の天才だった。自害にみせかけ、兄頼朝の目を暗まし、蝦夷を経て大陸に渡る。著者はこれまでの日本の歴史常識を打ち壊し、真実の姿を大胆に組み立て、堂々と読者に迫る。
山羊(やぎ)と呼ばれる男は、戦車に追われる悪夢を見た翌日、世界が奇妙に変化している事に気付いた。紛れ込む文字列、異常に高い塔、墜落する満月。常識は次々に覆され、縛られた世界の崩壊が始まった…新しい小説。新しい才能。
ソフトウェア会社に勤める平岡が通っているチャットルームに“インターネットの亡霊”と名乗る者が現れた。彼は、自分は既に殺されており、亡霊となって“不要なファイル”を削除していると語った。やがてその言葉通りに、凄惨な方法で次々とチャットメンバーが消されてゆく。平岡は、姿の見えない“亡霊”に、閉じ込めていた過去を思い出した…。実力派新鋭が放つネット世代の新感覚ホラー・ミステリー。
家電量販店に勤める土田は通っているチャットルームのオフ会に参加した。初対面のメンバー6人と楽しく飲み交わしたその数日後、チャットルームには“インターネットの亡霊”を名乗る者が現れる。“亡霊”は12年前の復讐と語り、チャットで予告したメンバーを一人また一人、猟奇的な方法で殺害してゆく。土田は姿なき亡霊の正体を追ううちに記憶の底に閉じ込めていた中学時代の凄惨な事件に行き当たった。-残り少なくなるメンバー同士の意外な関係が明らかになり…。
ソフトウェア会社に勤める平岡が通っているチャットルームに“インターネットの亡霊”を名乗る者が現れた。彼は、自分は既に殺されており、亡霊となって不要なファイルを削除していると語った。やがてその言葉通りに、残虐な方法で次々とチャットメンバーが消されてゆく。平岡は、姿の見えない“亡霊”に、閉じ込めていた過去ー中学時代の凄惨ないじめによる殺人事件を思い出した…果たしてそれは亡霊?復讐?それとも快楽殺人か?そして待ち受ける衝撃のラスト!恐愕の異色ホラーミステリー。
家電量販店に勤める土田は通っているチャットルームのオフ会に参加した。土田は初対面のメンバー6人と楽しく飲み交わし、唯一の女性メンバー、望月と関係を持つ。数日後、チャットに“インターネットの亡霊”を名乗る者が現れた。“亡霊”は問題のあるファイルを削除すると語り、指名したメンバーを一人一人猟奇的な方法で殺害してゆく。追い詰められた土田はメンバー達の意外な裏の顔を知ることに。それは恋人となった望月も例外ではなかった…そして再び訪れる驚愕の結末!異色ホラーミステリー第2弾。
小さな広告代理店に勤める初芝亘(25)は、ドイツの片田舎の街グラスラグラスで催される魔女祭の取材に出かけた。楽隊とビールで華やいだ、一見のどかな田舎祭りと思われたが、夜、亘は不可思議な儀式に招かれ、混濁ののちに意識を失う。帰国後、奇妙な懐かしさを伴うデジャブ現象に囚われるようになった亘は、やがてそこに三年前に突然去っていった学生時代の恋人、麻衣の影を感じるようになる。亘は二人が半同棲していたかつてのマンションに足を向けるが…。
この本は、「近思録」の完訳です。「近思録」は、朱熹と呂祖謙によって編集され、西暦1176年に刊行された書物で、朱子学の入門書として長く広く用いられました。「近思録」には、四人の儒学者、周濂渓、張横渠、程明道、程伊川の言葉が厳選されて収録されています。四人は、それまでの儒学を刷新して、新しい儒学(宋学)を始めた人物です。朱熹は、その四人の思想を受け継ぎ、集大成して、儒学史上最高の哲学体系を作り上げました。それがいわゆる「朱子学」です。朱子学は、世間で思われているような「封建道徳」などではなく、簡単に言うなら、人の心を健全に育成し、世の中をよりよくしていくことを目指すヒューマニスティックな哲学です。
短歌や諺、古書から学ぶ人生訓。道徳心や現代人が忘れかけている心のありかたを問う珠玉の58編。