松本圭二の幻の第4詩集、朔太郎賞受賞作の解体。
60年安保以後のさまざまな社会運動ー全共闘、協商懸、連合赤軍公判対策委員会、反天皇制、日の丸・君が代などーと、表現における革新運動ー東映争議、清順問題共闘会議、俳優座造反、“持たざる者の演劇”、ATGなどーの両軸で闘いながら、物語と批評をつむいできた非党派左翼は、いかに時代と対峙してきたか。
朔太郎賞受賞作の断裂。「現代詩手帖」に連載した短詩群。
「日本で唯一のマルクス主義への殉教」「老人の美しい死」-本書旧版の出版と、その翌年の著者夫妻の「死出の旅路」の衝撃。その一方で、人民戦線事件、満鉄調査部、『資本論』出版の舞台裏などのあからさまな記述。「『プロレタリアート独裁』と『暴力革命』とに死ぬまで固執」しながら、ペーソスとユーモアに溢れる文体で、自らの人生を飄々と振り返る。1983年の青土社版に単行本未収録原稿を追補。旧版から40年、待望の復刊。老マルクス研究者の遺言。
ネグリ、ランシエール、フーコーなど現代思想の最前線で、そして9.11、リーマンショック、世界各地の反乱、3.11などが生起するただなかで、生の最深部、“下部構造”からつむがれる政治哲学。『闘争の思考』以後20年にわたる闘争の軌跡。
資本の専制、奴隷の叛逆。ディストピアに身を沈めユートピアへ突き抜けよ。スペイン、ギリシャ、イタリアの最先端政治理論家たちがポスト産業資本時代の「絶望するヨーロッパ」をラディカルに分析する。
平民として自発的に統治に服す「大正」の教養主義が「民主」の言説だとすれば、「昭和」前期に「独裁」が勝利した滝川事件を機にいずれとも相容れない知識人が現出したー。近代において批評をめぐって思考したふたりの「美学者」を解読しつつ、天皇制、資本主義ー国家、市民社会などを批判的に剔抉する。
永山則夫、フランツ・ファノン、チェ・ゲバラ、国際義勇軍、赤軍派、『東京〓(せん)争戦後秘話』、若松孝二、大杉栄…何処にでもある場所としての“風景”、あらゆる細部に遍在する権力装置としての“風景”にいかに抗い、それを超えうるか。21世紀における革命/蜂起論を予見した「風景論」が、40年の時を超えて今甦るー死滅せざる国家と資本との終わりなき闘いのために。