児童虐待はあまりにも緊急的であり、かつ多くの人びとに対して破壊的である。そして保健婦や保育士、教師など子どもに関わるフィールドで働く人びとが、必ずといっていいほどしばしば巻き込まれる出来事である。こうした関係者は、虐待に対する基本的な関わり方を知らなくてはならないが、しかし、それぞれが単独ではとうていこの問題に取り組めない。積極的に協力・協調する関わり方を知った関係者が増えてゆかなくてはならないのである。ここで扱った事例にはいずれも多くの関係者が登場し、連携と協同作業によって虐待という難しい問題に取り組んでいる。
本書は、ほとんどの事例において具体的であり臨場感の伝わってくるものとなった。しかも、見事な成功例ばかりではないところも、本書の現実味を増している。「暴力」に対して各執筆者が忌憚なくそれぞれの場での実践を語っている本書は、暴力的な青少年に対処する際の参考になるものである。
“かけがえのない自分、社会のなかのちっぽけな自分”大きな自己像と現実の間で揺れ動く青少年の心。自らの存在の誇りを打ち砕かれた人びとのために、教育、精神医学、心理学の第一人者がサポート。
基礎から演習・実習、保育所・幼稚園の実例まで学べます。各ステージごとに、理論と献立の結びつきを実感できます。保育士養成課程の新カリキュラムに対応したテキストです。
糖尿病治療は、患者、医師、看護師、栄養士、運動トレーナー、薬剤師、臨床検査技師、臨床心理士などが一体となり作り上げていくものであると思います。この作り上げていく過程の中で個々人の患者に合った、いわゆるオーダーメイドの糖尿病療養指導も必要となってきます。しかし、オーダーメイドの糖尿病治療を行う上でも糖尿病療養指導の基本は必要となります。太田西ノ内病院糖尿病センターの医療スタッフが、糖尿病療養指導に携わってきた中で、患者さんからの質問や医療スタッフからの疑問点を出し合いながら、1つの回答例をあげる形式で本書は構成されています。回答は、1つの例でありさまざまな回答の仕方があると思われますが、回答をなるべく簡潔に実践に即した内容にしてあります。
子どもへの教育は、何でも早ければ早いほどよいのか?大人の脳細胞は死滅していくだけで、学習には遅すぎるのか?著者のサラ・ブレイクモアは、行為と自己意識に関する脳内メカニズムについて、ウタ・フリスは、他者の行為や表情から、その意図や心的状態を推測する機能について研究している。「認知神経科学」という新しい分野の第一線で活躍する二人が、最新知見から早期教育や生涯学習に関して「本当のこと」を明かす。
この数年間にさまざまな向精神薬がわが国でも使用可能になり、欧米で提唱される精神科薬物療法アルゴリズムやガイドラインを参考にできる向精神薬のラインナップがようやく整いつつある状況である。本書は、最近の知見やエビデンスを集約し、代表的な精神疾患に対して、新薬を最大限に日常臨床に生かせるようにまとめた平易な薬物療法ガイドである。また、臨床精神薬理学研究を行う際に必要な知識となる向精神薬の等価換算と向精神薬の薬効評価に用いられる評価尺度についても紹介する。