本書はタヴィストック・クリニック思春期青年期部門の精神療法家たちによって分担執筆されたものである。本書の大きな特徴は、青少年の呈する問題の理解の仕方、そして彼らの精神療法の在り方を豊富な臨床事例を使って述べていることである。治療において治療者は青少年から投影される絶望や混乱、不安などを抱えていかなければならない。そうした臨床の現実が、彼らの呈する精神病理の事例を通して臨場感豊かに読者に伝わってくるであろう。
思春期の身体と心の変化にふさわしい医療と教育を。思春期からの医療ガイド。身体的変化の実際、呼吸障害、摂食障害、栄養、てんかん、姿勢保持など。重症児施設での臨床経験をもつ医師と養護学校重症児学級の教師が、重症児の思春期からの介護環境、教育、福祉、医療サービスの課題を提起。
ママへの同性チェックが厳しい、パパが嫌い、ささいなことで口ゲンカetc…年頃の女の子はなぜむずかしいの?子育てがラクになる脳科学のお話。
児童虐待はあまりにも緊急的であり、かつ多くの人びとに対して破壊的である。そして保健婦や保育士、教師など子どもに関わるフィールドで働く人びとが、必ずといっていいほどしばしば巻き込まれる出来事である。こうした関係者は、虐待に対する基本的な関わり方を知らなくてはならないが、しかし、それぞれが単独ではとうていこの問題に取り組めない。積極的に協力・協調する関わり方を知った関係者が増えてゆかなくてはならないのである。ここで扱った事例にはいずれも多くの関係者が登場し、連携と協同作業によって虐待という難しい問題に取り組んでいる。
本書は、ほとんどの事例において具体的であり臨場感の伝わってくるものとなった。しかも、見事な成功例ばかりではないところも、本書の現実味を増している。「暴力」に対して各執筆者が忌憚なくそれぞれの場での実践を語っている本書は、暴力的な青少年に対処する際の参考になるものである。
非行と向き合う親たちへ、共感的理解からメッセージを発信する。子どもの心の声を徹底的に聴き、子育て・教育のあり方、育ちを支える地域社会の新たな共同の必要性を提起。
本書においては、女性における思春期青年期発達に特有の傾向や課題を改めて振り返ってみることができればという視点から編集を試みた。女性と思春期というテーマは幅が広く、どういう角度から考えてみればいいのか、当初は考えあぐねていた。たとえば、特に身体的成熟に伴う内的な混乱や不安定という、いわゆる早期の思春期年代における心理的課題もあれば、親分離や異性愛関係の達成。アイデンティティの確立という、より青年期的な精神発達の課題もある。あるいは、思春期それ自体の視点もあれば、成人の内的世界における思春期的な心性をめぐる課題もある。そのすべてを網羅しようとすると際限がなくなるので、最終的には、内容についての制約を排し、事例を提供してくださる先生方に自由にお書きいただくことにした。
無口になったり、反抗的になったり、変な格好をしてみたり…。小さいころはかわいかったのに、なんだか最近ちょっと違うみたい。ケータイやゲームとの付き合い方、お金のことから問題行動まで、中高一貫男子校で40年間教鞭をとった著者が、思春期の男の子のお母さんからの質問に答えます。